日本国内初!3Dプリンタ施工による建築確認申請取得建築物

Polyuse製3Dプリンタで10㎡以上の建築物施工に国内初成功、3Dプリンティング建築の国内適応技術を確立

建設用3Dプリンタを開発する Polyuse は、建築基準法に準拠する形で、MAT一級建築士事務所による設計を元に、施工を実施。本件は、3Dプリンタ施工による、日本国内における初の建築確認申請取得の建築物となる。

2019年に創業したPolyuseは、2021年に国内初の実利用の土木構造物や国内初の民間の実案件工事での適応などを実施しており、2021年12月には、国土交通省中国地方整備局広島国道事務所の令和2年度安芸バイパス寺分地区第4改良工事において、国内初の産官学が連携した実証実験の実施を行ってきた。また、国内における唯一の建設用3Dプリンタメーカーとして、専門性の高い技術者を確保し、開発体制を構築することによって、国内での適応をいち早く推進し、将来的に見込まれる建設業における人手不足の一助となるプロダクト開発を実施。

2012年ごろより建設用3Dプリンタの開発が活発に行われ、海外では建設用3Dプリンタを用いた住宅等の建築物の施工が実施されており、業界を長らく牽引している。一方、国内においては、地震、台風などの自然災害から我々の生活を守るため建築基準法の基準が存在し、法的に適合する形で建設用3Dプリンタを活用してどの様に施工すれば良いのか長らく未実証の課題となっていた。今回Polyuseは、MAT一級建築士事務所と協力して、群馬県渋川市内にて同市の建築確認申請を実施し、確認済書を取得し、施工を実施。Polyuseの建設用3Dプリンタを用いて建築部材を製作。本件は国内初の建築許可を取得した建築物施工の成功事例であり、海外で先行する建設用3Dプリンティング建築の国内適応技術を実証確立した国内初の事例となる。

今回造形した形状は、建設用3Dプリンタが得意とするR形状を含む12個の建築部材で成り立ち、組み立て施工する方式となっている。横幅は約6m、奥行きは約3〜4m、高さは約3mの平家建てで、これまで建築確認申請が不要だった10㎡以下のコンテナやユニットハウス、タイニーハウスといった領域ではなく、人間の暮らしを考える上で必要不可欠なサニタリーやインテリアを置く面積を確保した、17㎡超の広さを実現している。

各部材ともに内部含めて使用モルタル素材を充填して造形をしており、充填して造形を行うことで密な状態を生み出し十分な強度を担保。既に強度試験等は複数回実施しており、強度は従来のコンクリート壁時に適応される基準強度以上の強度を発現することを確認。標準的なコンクリート製の外壁と同水準以上を保ちつつ、安全性を検討する上で実施する構造計算における計算値でも問題なく協議を進めてきた。

造形においては、高さ150cmまでの内部空間を充填した印刷で凡そ4〜6時間程度必要であり、全部材の製造に約10日間程度要する。造形期間中に並行して基礎打ちを実行することで効率的に施工を実施。造形後の現地組み立ては2日間で完了し、その後屋根等々の組み付け、内装の仕上げなどを実施し、旧来同様の建屋を建造するのに2ヶ月強かかるところを約1ヶ月で施工することができる。


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