オランダの研究チームが3Dプリント技術を応用し複雑な微小流体デバイスの製造方法を開発
オランダのワーゲニンゲン大学バイオナノテクノロジー研究室の研究チームは、高価な材料やクリーンルームなどの特別な環境を使用せずに、3Dプリント技術を活用した微小流体デバイスの開発方法を考案しました。
同研究チームが開発した流体デバイスの生成方法はいたってシンプル。
3Dプリント技術を利用して生成したABS素材の高精細造形物をシャーレに配置し、PDMS(ポリジメチルシロキサン)を投入~硬化
次いで、ABSを内包したまま硬化したゼリー状のPDMSを一定時間(図の造形物では約12時間)アセトンに浸してABS素材を溶解します。
溶解後にエアーを送り、残留物を排出して完成。
下図のように、極細な管に液体が注入されていく様子が確認できます。
PDMSは、微小流体デバイスが必要な研究室などで広く活用されているようですが、生成には専門的な知識やクリーンルームなどの環境が必須でした。しかし、この3Dプリント技術の応用による微小流体デバイス製造方法であれば、特別な環境を必要とせず、安価に複雑なデバイス生成が可能になります。
下図のような複雑な形状も、3Dプリント技術を応用することで容易に製造することが可能です。
現在の3Dプリント技術では再現可能な最少精度に限界があり、研究分野で必要な極小の流体デバイス生成は実現が難しいため、同研究室では今後様々な改善を加え、より高精細(極小)なデバイス生成の研究に取り組んでいます。
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