形状記憶材料を利用した新たなプリンティング技術

調整可能な形状記憶ポリマーと多材料4Dプリンティング技術

MITとシンガポールデザイン大学(SUTD)のエンジニアによる研究チームは、元の形状を記憶する熱応答性形状記憶ポリマーと多材料4Dプリンティング技術に関する研究を行っています。

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形状記憶ポリマー/SMP(Shape Memory Polymer)材料と言えば、先日も形状記憶樹脂フィラメント『SMP55』についてお伝えしたばかりですが(関連記事はこちら

MITとSUTDのエンジニアチームが進める研究では、独自のMicrostereolithography(DLP方式の3Dプリンター)による混合形状記憶ポリマー(SMP)材料を使った3Dプリント構造物のプリント検証を行っており、材料特性に応じて調整された複数のSMPで作らる複雑な4Dプリント構造を設計し、目的や用途に応じて制御可能な4Dプリンティング技術を研究しています。

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上図:コイン上に立つ複雑な3Dプリント構造のエッフェル塔は、熱応答性SMP材料によってプリントされた物。造形後60℃に加熱しエッフェル塔を曲げ、25°Cに冷却し硬化。その後再び60℃加熱することで、徐々に元の形状に変化していく様子を撮影したものです。

目的や用途に応じて調整可能な多材料対応のミクロンスケール4Dプリンティング技術が確立されれば、様々な産業への応用が期待できます。

例えば
常に太陽に向けて形状変化を行う太陽電池や、産業ロボット用ソフトアクチュエータなど、実用的なツールの開発。
複雑な形状のステント(人体の管腔内部から広げる医療機器)など、従来の技術では対応が難しい医療器具の生成や、介護ロボット、人工筋肉などに利用されることで医療分野にも大きな変革をもたらすかもしれません。

このように、目的や用途に応じて実用化のための研究が進めば、多方面に活用できる技術になるかもしれませんね。


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