Formlabs、新型3Dプリンタと炭素繊維強化材料を発売

Formlabs、製造用途に向け従来比最大2倍の高速SLS方式3Dプリンタと実製品向け炭素繊維強化材料の発売を開始

米国マサチューセッツ州サマービルに本社を置く3Dプリンタメーカー Formlabs は、2022年7月13日より、北米SLS(粉末焼結積層造形)方式3Dプリンタ市場にて販売台数第一位となった「Fuse 1」の上位機種にあたる最新モデル「Fuse 1+ 30W」および炭素繊維強化材料「Nylon 11CFパウダー」の販売を開始した。

新製品「Fuse 1+ 30W」は、従来品「Fuse 1」の10Wレーザー出力を30Wに向上させることで、従来比で最大2倍の造形スピードを実現し、オプションでサードパーティ製の窒素ガス発生装置が利用可能となった。窒素ガスによる不活性ガス環境では、プリンタ内投入後にパウダー材の酸化を防止することで、より一層の高品質な造形品の仕上がりを実現でき、パウダー再利用時にも混合する未使用パウダーの比率(材料リフレッシュ率)を引き下げることで更に低コストで運用することも可能となる。

その他、プリンタ投入後に庫内でのパウダー材の流れを改善する設計変更、ガルバノメーターシステムのアップグレードが施され、最大12.5m/秒の高速スキャン機能は30Wの高出力レーザーと合わせて高速プリントの実現に大きく貢献。また「Fuse 1+ 30W」は、Formlabsの全SLS材料に対応している。

Fuse 1+ 30W背面には窒素ガス発生装置連結部が備わる

「Fuse 1+ 30W」の特徴

  • 販売価格:¥4,477,000より(メーカー希望小売価格/税別)
  • 最大12.5m/s のスキャン速度と30Wの高出力レーザーによる高速プリント
  • 上記によりビルドボリュームいっぱいのプリントもほぼ全条件で24時間以内に完了
  • パウダー供給システムのアップグレードで、更に広範な工業用材料に対応
  • 窒素ガス発生装置による窒素充填オプションによる業界トップクラスの造形品質
  • 高いパッキング密度とパウダーのリサイクル性による材料ロスほぼゼロの製造を実現
  • 以上により部品あたり製造単価の削減と早期での導入コスト回収を実現

「Fuse 1+ 30W」と共に発売となったナイロンベースの炭素繊維強化材料「Nylon 11 CFパウダー」は、特に自動車や航空宇宙産業で使用される金属部品からの置き換えによる軽量化用途に対応する実製品用の高機能材料として開発されたものである。炭素繊維強化材料の有用性は既に広く認知され、金属並みの強度を持ちながら非常に軽量な強度重量比に優れた材料として普及している。「Nylon 11 CFパウダー」は、新製品の「Fuse 1+ 30W」でのみ使用が可能で、Formlabsでは高速SLSによるアディティブマニュファクチャリング製造をより効率化しながら、その用途を更に押し広げるものと位置付けている。

Nylon 11 CF製の自動車用マニホールド

例として、交換部品を3Dプリント化することで、部品メーカーは成形等で製造した交換部品の在庫や金型を保有しておく必要性がなくなり、中長期的にも大きなコスト効率化が図れる。欧米では既に普及しつつある、こうした活用法の普及を、日本市場においても「Fuse 1+ 30W」とその高機能材料で加速できればと考えている。

「Nylon 11 CFパウダー」の特徴

  • 販売価格:3kg入りボトル×2本にて¥140,000(メーカー希望小売価格/税別)
  • Nylon 11をベースとした炭素繊維強化材料
  • 高い剛性と寸法安定性
  • 高い耐振動・耐衝撃性と優れた強度重量比
  • 高耐熱・熱安定性(0.45MPaでの荷重たわみ温度試験:188℃)

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