米国防総省、米軍向け3Dプリンティングを標準化へ

米国防総省内の戦闘支援機関、米軍向け3Dプリンティングの標準化を目指す

米国防総省(DoD)内の戦闘支援機関であり、軍需物品の流通・備蓄及び補給網整備などを担当する米国国防兵站庁(Defense Logistics Agency 以下 DLA)は、同機関が米軍向けの3Dプリント技術の活用を効率化するための共通の規格と手法を開発していることを発表した。

国防総省の8つの戦闘支援機関の1つであるDLAは、米軍による装備品の調達と配送、余剰品や使用不能品の処分や米国連邦政府内の様々な部局の人道支援を行っている。DLAは、アディティブ・マニュファクチュアリング(以下 AM)の軍用サプライチェーンへの統合を加速するために必要な一連の基準を定義するだけでなく、DoD内の異なる部門が、AM関連データを互いに安全に共有する方法の開発にも注力している。

Images : DLA

このデータには、米国のサービス部門向けに部品をプリントしているサプライヤーが提供する技術情報や、DoDへ3Dプリント部品および原材料を納入する企業の情報も含まれる。この全体的な取り組みは、2020年1月に開始された米軍の3Dプリント集中ポータルである「Joint Additive Manufacturing Model Exchange(JAMMEX)」を強化・拡大するものとされている。

DLAは現在、3Dプリント部品の遠隔検査を促進するプログラムにも取り組んでおり、DLAロジスティクス・オペレーションのエグゼクティブ・ディレクターであるPatrick Kelleher氏によれば、検査に必要な時間を90%も短縮できる可能性があるという。つまり、AMによって軍需品のリードタイムが短縮されることで検査時間も徐々に短縮され、AM技術の採用幅が増加される可能性があるとしている。
米軍は、ここ数年でAM産業に多額の資金を投入しており、国防予算の削減を求める政策立案者の声が拡大する中でも、AM技術から恩恵を受ける可能性があると期待している。


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