英国の研究チームは3~4年先に3Dバイオプリントで耳や鼻の再生を可能にします
英国ウェールズのMorriston病院の形成外科チームは、患者自身の細胞を使用した3Dバイオプリンティング技術により、鼻や耳など軟骨ベースのボディパーツの生成技術を開発しています。
同チームは動物実験の後、人間に適用する前に倫理プロセスなどを経て、3~4年以内に人間による臨床試験へ移行する準備を進めています。
先天性の病気や怪我などにより、耳や鼻の一部またはすべてを失った患者のため開発されているこの技術は、患者から採取した細胞サンプルを培養器内で数週間掛けて成長させ、元となる組織を生成。
研究者等は、培養した細胞を形成するための特殊なゼリー状の支持構造を独自に開発。
この特殊なゼリーと軟骨細胞をブレンドし、治療が必要な部位の3Dデータ(3Dスキャンされたデータまたは3Dモデリングソフトウェアで生成したデータのいずれか)から構成されたデータを元に、3Dバイオプリントを実行。
プリントされた材料は、患者に移植できるよう十分に安定するまで成長させるため、栄養素の流れをコントロールするインキュベーターに戻されます。
同チームは最終的に、人間の体内利用できる組織に成長することができるよう、ヒト細胞を用いた生物学的構造プリントを提供しようとしている。
先日「2020年代には日常生活のあらゆる面に3Dプリント技術が浸透している」という発明家レイ・カーツワイル氏の言葉をお伝えしましたが、医療関連のプリント技術は物凄いスピードで成長を続けていますね。
事故や病気などにより身体の一部を失った方が、自らの細胞から生成した再生パーツを数ヶ月で作れてしまう。なんていう世界が近い将来に来るかもしれませんが、宗教的な問題や倫理観などが複雑に絡むと思われるため、環境によって扱いが大きく異なるかもしれませんね。
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