3Dプリンタ乳房・胸部インプラントの臨床試験を開始

BellaSeno社製3Dプリント乳房インプラント、オーストラリアで人体実験開始

ドイツのライプツィヒに本社を置き、オーストラリアのブリスベンに子会社 BellaSeno Pty を持つ医療技術企業 BellaSeno GmbH(以下 ベラセノ)は、ISO 13485認証のAI駆動型3Dプリントで作られた再吸収性の軟組織および骨再建3Dプリントインプラント製品の2つの臨床試験を開始することを発表した。

3Dプリントによる生体吸収性 Senella 乳房足場

ベラセノの3Dプリント乳房用足場は、完全再吸収性で、乳房再生、豊胸、再手術の際に移植され、その後ゆっくりと体に吸収されるように設計されている。昨年実施された初の試験において、この足場は術後2〜3年で吸収され、どの角度からでも脂肪注入が可能で、外科医にとって使いやすいことが証明されており、乳房手術の70%以上で使用されているシリコンプロテーゼと比較して、90%以上の軽量化を実現し、組織との完全な統合が可能なため、合併症のリスクも低くなっている。

ベラセノはすでにオーストラリアのブリスベンで、3Dプリントインプラントのヒト試験の募集を開始。オーストラリアの子会社BellaSeno Ptyが主催するこの研究プログラムでは、同社の乳房用足場が2つの異なる用途に展開される予定で、最初の用途は「開胸筋」の治療に使用されることになっている。この研究の一環として、胸骨が胸に沈み込んでしまう先天性の胸壁変形に悩む10人の患者に、多孔質のポリカプロラクトン・スキャフォールドを移植する事を予定している。低侵襲手術により圧縮された状態で挿入されたこのデバイスは、脂肪吸引により得られた患者自身の脂肪組織と融合し、異物の痕跡を残さないことが期待されている。

ベラセノは2回目の試験で、乳房インプラントの再手術や先天性乳房欠損症の患者20名を登録し、同じ吸収性縫合材を使用したインプラント治療を行うことを目標としている。


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