ミシュランが描いた未来のエアレス3Dプリントタイヤ
フランスのタイヤメーカー「Michelin(ミシュラン)」は、モントリオールで開催された国際的なモビリティサミット「2018 Movin’On」において、3Dプリント製エアレスタイヤ『Michelin Visionary Concept』のコンセプトモデルを発表した。
Michelin Visionary Concept(以下 VISION)と名づけられたこのタイヤは、生分解性のリサイクル材料をベースに、肺胞構造を模した特殊形状を有するエアレスの3Dプリントタイヤで、路面状況に応じて即座にトレッドパターンを再印刷することができるというコンセプトを元に開発されている。
開発に使用されたバイオ原料 / Michelin
VISIONタイヤにはリアルタイムモニタリングセンサーが備えられており、路面状況を的確に判断。最適なドライブに必要な情報をフィードバックすることができる。
ドライバーはアプリ経由でプリント予約を行い、移動経路にある「Print&Go(プリント&ゴー)ステーション」と呼ばれる施設で、目的地や移動中の路面状況に最適な材料による再印刷サービスを受けることができる。
アプリからタイヤの3Dプリントを予約
Print&Go(プリント&ゴー)ステーション
駐車中のステーションで、環境に適合した材料とトレッドパターンを3Dプリント
この3Dプリントエアレスタイヤは生分解性材料から生成されているため、寿命を迎えた後も自然環境に悪影響を与えるような有害物質を排出することなく破棄することができる。
ミシュランは現在、デザイン、プロセス、材料など、VISIONタイヤに関する19件の特許を保有しており、競合他社との差別化を図っている。
ライバルとなるタイヤ会社グッドイヤーは、先に球状の3Dプリントタイヤに関するコンセプトを発表しているが、タイヤ大手2社が3Dプリント技術を積極的に採用することで、同業界への3Dプリント技術の活用は今後も大きく発展する可能性を秘めている。
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