ペットボトルと3Dプリンタを使って大型構造物を製作

使用済みペットボトルを利用し大型構造物を構築できる3Dプリントパーツ生成ソフトウェア『TrussFab』

ドイツのHasso Plattner Instituteの研究者たちは、使用済みペットボトルを材料にしたエコプロジェクト及び災害時などに応用できる技術として、屋外避難所のような大型構造物から椅子やボートまで、様々な用途に対応したトラス構造(複数の三角形による骨組構造)の構造物を、ペットボトルと3Dプリントパーツで構築できる自動計算ソフトウェア『TrussFab』を開発。

横方向からの圧力で簡単に潰れてしまうペットボトルも、主軸に沿った変形(押しつぶしや引っ張り)に対しては十分な強度を示す物がある。
この特徴を利用したTrussFabは、トラス構造により加重が主軸方向に対して正確に伝わるよう自動計算し、組み立て用ハブモデルデータを生成する独自のアルゴリズムを採用。

このアルゴリムにより各ペットボトルを接続するためのトラスコネクタモデルを自動生成するTrussFabは、計算結果に基づいて生成されたモデルデータを、3Dプリント用データとして書き出すことができる。

書き出された3Dモデルデータを3Dプリンタで出力し、指定された番号通りに組み立てることで、人が乗っても潰れることのない橋や家具など、様々な用途に適した構造物を簡単に構築することができる。

TrussFabを利用したワークフロー

自動変換
SketchUpの拡張機能として実装されるTrussFabは、基本となる3Dモデルを変換してトラス構成(またはハニカム構造)の新しい3Dモデルを生成する。

編集
TrussFabエディタのカスタム機能を利用し、デザインを適切に修正。
独自のアルゴリズムによって変更されたデザインは、構造物の内部力を計算し、構造を損なわずに実使用可能な形状へと調整することができる。

ハブ生成
ハブジェネレーターは、空間構造用に適した3Dデータを生成し、3Dプリント用データとして書き出す。また、書き出し可能なデータは3Dモデルだけでなく、ファサードなど軽量構造物の接続用には、レーザーカッターで加工可能な2Dハブの生成もできる。

プリント~組立
書き出された3Dプリント用ハブデータは、3Dプリンタを利用して造形。
造形された各3Dプリントハブには組み立て順を示すIDが刻まれており、このIDに沿ってペットボトルを接続することで、十分な強度を担保した構造物が完成する。

左:3Dプリントハブ、右:レーザーカットされた2Dハブ

研究チームは、TrussFabを利用したデモ作品として、テーブル、椅子、人が渡れる8フィートの橋、2人乗りボート、16.5インチのドーム型テントなどを製作している。


写真の構造物では512本のプラスチックペットボトルを使用

チームはこの革新的な3Dソフトウェア「TrussFab」をSketchUpの拡張機能として近々無償公開する予定である。


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