自殺用3Dプリントカプセル「Sarco」がスイスで合法化

自殺幇助専用の3Dプリント製カプセル「Sarco」がスイス国内で法的審査を通過

安楽死の専門家として多くの患者の自殺幇助を経験してきたオーストラリアの医師 Dr Philip Nitschke(以下 フィリップ・ニチケ)によって設立された、自発的安楽死の合法化と自殺支援を擁護する国際的な非営利団体 Exit International は、現地時間の2021年12月4日、スイスで自殺幇助専用の3Dプリント製カプセル「Sarco」が、法的審査を通過したことを発表した。

2017年、3Dプリント技術を利用した安楽死専用のカプセル「Sarco(サルコ)」を開発したフィリップ・ニチケ医師は、2019年にイタリアのヴェネチアで開催された国際美術展「第58回 ヴェネチア・ビエンナーレ」に、2年におよぶ開発期間と6ヶ月を費やし制作された『Sarco』のプロトタイプを初出展。
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スイスでは、2020年に約1,300人が、スイスの2大自殺幇助組織である Exit(Exit Internationalとは異なる団体)や Dignitas のサービスを利用した自殺幇助により死亡している。
現在行われている主な安楽死方法は、鎮静催眠薬であるペントバルビタールナトリウムを服用し、その後2〜5分で眠りにつき深い昏睡状態に陥り、まもなく死に至るもの。一方「Sarco」は、薬物を利用した特別な処置を必要せず、液体窒素を使用して酸素濃度を急速に低下させることで約30秒で意識を失い、窒息感や痛みを伴わずに僅か数分で安楽死を迎えることができるよう設計されており、フィリップ・ニチケ医師も「Sarcoの安楽死カプセルが、スイスでの法的審査に合格したことを喜んでいます」と述べている。
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「Sarco」は、これまでに2台の試作機が3Dプリンタによって造られており、2021年9月からドイツ・カッセルで開催中の「埋葬文化博物館」で展示されている。また、現在オランダにて3台目のカプセルを製造中で、2022年には3号機となるモデルがスイスで稼働を開始することになっている。


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