- 2018-3-4
- フィラメント・材料, 実機レポート, 最新情報
- 3DPrinting, 3Dプリンティング, FDM, FFF, filament, Kickstarter, MOMENT, MOMENT S, Polymaker, Polysher, PolySmooth, TuneD3, クラウドファンディング, テクノロジー, フィギュア, フィラメント, 仕上げ加工, 表面仕上げ
3Dプリント作品の積層跡を軽減する「Polysher」新旧ネブライザーの検証とPolysmoothモニター募集のお知らせ
クラウドファンディング Kickstarter で成功を納めた後、製品版「Polysher」の発売を開始したPolymakerは、2017年末にPolysherの処理能力を向上させることを目的とした改良型ネブライザー(アルコール噴霧器)をリリース。
今回の記事は、この改良型ネブライザーと旧型ネブライザーを比較した内容をご紹介しています。
PolySmoothモニター募集のお知らせ
本サイトを運営するid.artsでは、今回の実機レポートと合わせ、Polysher専用材料「PolySmooth」のモニター募集を行っています。詳細は、ページ後半「Polysmoothモニター募集のお知らせ」よりご確認ください。
検証に用いたツール
- Polysher:初期モデル
- ネブライザー:購入時に付属してた物(以下 旧型)、改良型ネブライザー(以下 新型)
- 使用材料:Polysher専用材料「PolySmooth」
- その他:IPA(高濃度アルコール)、手袋、マスク、ゴーグル
※ Polysherを所有しない3Dプリンタユーザーから「PolysherとPolySmooth以外にどんな道具が必要なの?」というご質問をいただくことがあったので、Amazonのマイリスト「Polysher」に、Polysher及びPolysmooth使用時に必要な道具類をまとめておきました。
Polysmoothで検証用モデルを造形
今回も、これまでの検証(過去検証レポートはこちら)同様、ヘビーユーザー向け高性能FFF方式3Dプリンタ「MOMENT S」と、専用材料PolySmoothを利用して検証用モデルを3Dプリント。
PolySmoothは、一般的なPLAと同等のプリンタ設定(後述モニタ募集内容参照)で利用できるため、特別な装備や設定を必要とせず、殆どのFFF方式3Dプリンタで使用することができます。
Polysher専用材料「PolySmooth」
今回は、新旧ネブライザーを個別に検証するため、造形サイズやインフィルなど、同じ条件で出力した造形した物を2つ用意しました。
MOMENT Sで造形中の検証用モデル
MOMENT Sで3Dプリントされた造形物
※ id.artsでは、高性能3Dプリンタ「MOMENT S」を販売しております。詳しくはこちらからお問い合わせください。
Polysherで新旧ネブライザを比較
(左)旧型ネブライザー(右)新型ネブライザー。外観上の違いはない
旧型ネブライザーをテスト
先ずは、旧ネブライザー(初期モデルのPolysher購入時に付属していた物)を使用し、検証用モデルをテスト。表面の状態を確認しながら処理するため、20分→10分→10分と数回に分けてPolysherを可動させています。
スタート後、本体内に高濃度のアルコールが噴霧され、造形物の表面を溶かし積層跡を軽減していきます。
※ Polysherの基本的な操作方法については、こちらの記事をご参照ください。
Polysherの特徴については過去のレポートでもお伝えした通り、造形物の大きさや形状により表面の溶け方にムラが出る場合があります。
このため、長時間掛けて一気に加工するのではなく、表面の状態を確認しながら数回に分けて仕上げることで、より理想的な状態に仕上げることができます。
新型ネブライザーを使った検証
この写真だけでは伝わりづらいですが、新型ネブライザーから発せられる霧は、旧型のそれに比べて粒子が細かく、Polysher庫内に噴霧されたアルコールの密度が高まっているのが目視でも確認することができます。
新型ネブライザー使用時も、造形物の表面の様子を確認しながら加工を行うため、数回に分けてPolysherを可動させていきます。
新型ネブライザーによる加工時の様子
こちらの映像は、Polymakerが公開した新旧ネブライザーの比較動画です。左の旧型ネブライザーに比べ、右の新型ネブライザーでは、庫内全体に噴霧された霧が充満しているのが確認できます。
新旧どちらも基本的な使い方は同じで、並べて比較しない限り、その違いは分からないでしょう。
検証結果とまとめ
先に結論から申し上げますと、新旧どちらのネブライザーを利用した場合でも、結果として得られる仕上がりの精度に極端な差はありません。
ただし、旧型ネブライザーの場合は、表面を滑らかにするために必要とする時間が新型ネブライザーよりも若干延長されるため、アルコールに晒される時間が長くなる分、細部のディテールが崩れやすくなってしまいます。
(左)旧型ネブライザー、(右)新型ネブライザーを適用した造形物
新型ネブライザーの場合、旧型よりも細かな粒子が満遍なく庫内に充満するため、複雑に入り組んだ形状や、破綻しやすい細かな部位を有する造形物に対しても、噴霧されたアルコールが適度に付着するため、細部のディテールを大きく崩す事なく表面の処理精度が向上します。
(左)旧型ネブライザー、(右)新型ネブライザーを適用した造形物
結果的には、新旧どちらのネブライザーを利用した場合でも、造形物の形状などに合わせた適切な使い方をすれば、得られる結果に大きな差はないでしょう。
現在発売されている現行モデルのPolysherにはこの新型ネブライザーが適用されているため、今後購入されるユーザーは、旧型ネブライザーよりも良い結果を得られることは間違いありません。
Polysherお試しキャンペーン
id.arts(アイディーアーツ株式会社)では「Polysher購入前に、実際の仕上り具合を確認したい」という方に向け「Polysherお試しキャンペーン」を実施しています。購入前に「Polysher」及び「Polysmooth」を試していみたい方は、こちらをご活用ください。
※ Polysher関連の購入については、弊社または販売元である稲畑産業株式会社(情報電子第二本部第一営業部 メールでのお問合せはこちら)へお問い合わせください。
Polysmoothモニター募集のお知らせ
現在id.artsでは、Polysher専用材料「Polysmooth」の検証にご協力いただけるモニターを募集しております。対象者はPolysherユーザーを基本としておりますが、Polysherを所有していない3Dプリンタユーザーからの応募も可能です。
詳細ご確認の上、下記応募フォームよりご応募ください。
応募条件
- Polysher ユーザー
現在Polysherを所有するユーザーで、Polysmoothを使用した造形物を用意し、Polysherによる加工を行った後、簡単なアンケートにお答えいただける方を募集します。 - Polysmooth の造形テストに参加いただける3Dプリンタ所有者
一般的なPLAなど、他材料との比較のため、Polysmoothを利用した3Dプリントにご協力いただける3Dプリンタユーザーを募集します。
※ 造形いただきました3Dプリントを弊社へご送付いただければ、Polysherにて処理を行い、再びご返送させていただくことも可能です。
※ 今回のモニターでPolysher本体の貸出しはおこなっておりません。モニターご希望の方には、Polysmoothフィラメントのみをご提供いたします。
アンケートへの回答について
使用した3Dプリンタの機種や設定内容など簡単な質問に対し、Web上のアンケートフォームまたはメールからご回答いただきます。またご回答時には、加工後(3Dプリント後)の造形物を撮影(スマホ撮影可)、添付いただきます。
Polysmoothの詳細
- フィラメント径:1.75mm
- 推奨プリント温度:210~230℃
- 推奨ヒートベッド温度:0〜70℃
- 推奨プリント速度:40〜90mm/s
- サンプル用フィラメントの長さ:1色当たり 10メートル前後
- フィラメント色:透明、チールグリーン、グレー、ホワイト、ブルー、ブラック、レッド
- モニター用サンプル提供数:2~3色(何れも10メートル前後を個別梱包した物)
- 参加費用:無料
※ Polysmoothを使用したことによるプリンターの不具合や故障については、弊社では一切責任を負いかねますので、予めご了承ください。
※ 高濃度のアルコール類の使用には十分ご注意ください。
モニター応募専用フォーム
エラー: コンタクトフォームが見つかりません。
関連記事
- Polysher改良型ネブライザリリース
- 3Dプリント造形物を滑らかに仕上る「Polysher」最速レポート
- Polysher お試しキャンペーン
- Polysher開封から初期セットアップまで
- フィラメントを湿度から守る「PolyBox」
- 3DHubsは3Dプリンタベースの金属鋳造をサービスを開始
- 透明アクリル素材の研磨事例
- 3Dプリント造形物の表面を自動でピカピカにする凄いツールが登場!
- 3Dプリンタ用シートに大判サイズと10枚パック登場
- スポンジ研磨材に新商品追加
- TuneD3最新研磨事例
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp