- 2017-8-27
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北朝鮮がリバースエンジニアリング技術でミサイル開発を加速!?
JBPRESS 2017年8月25日(参照元)にて「北朝鮮が3Dプリンター製核兵器を日本へ撃ち込む日/すでに弾道ミサイルの製造に活用?」と言うタイトルの記事が公開された。
平壌の機械工場を視察する金正恩朝鮮労働党委員長 朝鮮中央通信(AFP=時事)
本文では、米国カリフォルニア州モントレー国際問題研究所の軍備管理専門家ロバート・ショウ氏の言葉として以下のような内容を掲載している。
複数の専門家から「北朝鮮が3Dプリンターでミサイル開発・製造を行っているのではないか」との指摘も出ている。特に注目すべきは、核兵器開発すら懸念されていることだ。
北朝鮮が先進的な3Dプリンター技術を取得した証拠はまだないが、高性能の3Dプリンターを一定量欲しがっていることは確かだ。
記事本文より抜粋
専門家によれば、回収された北朝鮮のロケット残骸からは、一部国内生産していると思われる部品に外国製品を模したリバースエンジニアリング技術が採用されていると指摘。
北朝鮮は、ウクライナやロシア経由で入手した旧ソ連製エンジンを分解し、リバースエンジニアリングによって必要な部品のコピーに成功しているという。
3Dプリント技術を活用したAerojet Rocketdyneの低コストロケットエンジンAR1
3Dプリンタ自体は、輸出入に関する国際的な規制等が整備されていないため、中国や日本を介して北朝鮮が3Dプリンターを輸入することも可能であり、次々とミサイル開発に成功する北朝鮮の急速な技術拡大の背景には、3Dプリント技術が活用されている可能性は否めない。
これまでの記事(3Dプリントロケットエンジンに関する記事一覧はこちら)でも度々伝えているように、米国を中心に3Dプリント技術を活用したロケット開発が積極的に進められているなか、既に高度なミサイル技術を有している北朝鮮が3Dプリント技術に着目しない訳はない。
米国航空宇宙企業ベンチャーRocket Labの3プリント部品搭載ロケット『Electron』
核開発へ貢献!?
兵器開発に直接つながるような部品の輸入が困難である状況でも、高精度な3Dプリント技術を活用することで、低コストで短期間に必要な部品を内製化することは不可能ではない。
記事本文では、スタントン核安全保障研究所研究員トリスタン・ヴォルペ氏とジョージタウン大学准教授マシュー・クロイニッヒ氏の言葉として以下のように掲載されている。
2015年にワシントンクォータリー誌に寄稿した論文で「3Dプリンターが核兵器開発に貢献できる」と警鐘を鳴らした。3Dプリンターを使うと、国際的な監視下にあるために入手が難しい遠心分離機の重要部品など核兵器開発に必要な特殊部品を低コストで素早く誰にも知られずに入手できるため、これに対する対策が急がれる。
高度な技術力や莫大なコストが必要な核開発において、3Dプリント技術が効率化と低コスト化に貢献できることは否定できない。
また、兵器開発に関する脅威は北朝鮮だけに限ったことではない。
前述の通り、3Dプリント技術は兵器開発における一連のプロセスを高速・低コスト化できるため、ミサイル製造関する技術情報、兵器として応用が可能なドローン技術、3Dプリント銃など、闇ネット上に拡散した情報を元にテロリストが3Dプリント技術をベースに大量破壊兵器を生産することも不可能ではない。
このような脅威と向き合うためにも、早急に3Dプリンターの輸出に関する国際的な議論をおこなう必要があると、記事中でも指摘されている。
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