シンガポールに水濾過膜用3Dプリント工場が開設

シンガポールのベンチャーNano Sunは新しい水処理膜を製造する3Dプリンティング施設を開設

シンガポールの南洋理工大学(Nanyang Technological University:NTU)の科学者等によって設立された水処理技術ベンチャー「Nano Sun(ナノサン)」は、米国食品医薬品局(FDA)の認可を受けた新しいタイプの水処理膜(メンブレン)を製造する3Dプリンティング施設を立ち上げた。

2015年に投資グループRaffles Capital Groupに買収されたNano Sunは、シンガポール、中国、フィリピン、インドネシアなどの政府および企業に対し、15以上の水処理システムのプラント設計と納入実績を有しているが、この度、新しい種類の水処理膜を製造するため、シンガポール国内で初めてとなる3Dプリンティング施設を立ち上げた。

同施設で製造されるNano Sunの新しい3Dプリント水処理膜は、従来の膜製造プロセスとは異なり、独自の3Dプリンタを使用して毎秒数百万本のPVDFナノ繊維を1秒毎に薄くプリント。ナノレベルの繊維はバッキング材に蓄積され、極薄の膜シートに圧縮する。この膜は、これまで使用されているポリマーおよびセラミックメンブレンよりも5倍も速く廃水をろ過することができる。

また、この水処理膜は、破損やバイオファウリング(水処理膜に微生物が繁茂し、菌体由来物質が膜を目詰まりさせる現象)に強く、メンテナンスの必要性が低く、コスト効率も向上。
高効率な汚染物質排除率を有しながら、従来の膜よりも速い水の流速を有する新しい水処理膜は、より小さな排水処理プラントの建設を可能とし、土地、インフラ、労働コストを大幅に削減する。

Nano Sunの新技術は、シンガポール最大の半導体多国籍企業の2社と、中国の新しい都市排水処理工場に採用され、年間2,000万リットルの水を処理する。これは、オリンピックサイズのスイミングプール8つ分に相当する。
同社はこの3件の排水処理契約により、年間売上高が1,000万ドル(シンガポールドル)に達すると予測。今後3年間でエンジニアスタッフを増員し、中国、インドネシア、フィリピンなどに展開を予定している。

Nano Sunは近い将来、3Dプリントプロセス中に他の材料と組み合わせ、より優れた防汚添加剤を開発するためのさらなる研究を進めいる。


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