マルハニチロ、水産3Dプリンティング企業と提携

マルハニチロ、シーフード3Dプリンティング企業への出資を通じて人工魚の早期生産を目指す

日本水産加工大手マルハニチロは、細胞培養技術を用いて生産する食品としての「細胞性水産物」の開発および事業化をめざし、培養魚のパイオニア企業 UMAMI Bioworks(旧 Umami Meats)と協業契約を締結し、魚類の細胞培養技術の確立に向けた取り組みを推進することを発表した。

Umami Bioworksは、養殖ウナギ、真鯛、マグロを消費者に届けたいと考えている

マルハニチロは、日本および海外における培養水産物の生産開発および商業化のための提携の一環として、UMAMI Bioworksの細胞培養開発および製造プラットフォームを利用する。このパートナーシップには、マルハニチロによる戦略的投資と、日本および世界における養殖水産物の商業化への道を加速させるための包括的な研究協力が含まれている。

Steakholder Foodsのシステムで3Dプリントされた培養魚

過去30年間で、日本の国内天然漁獲量は約65%減少し、水産物自給率は55%にまで落ち込んでいる。乱獲、海洋汚染、マイクロプラスチック、重化学物質の持ち込みといった世界的な課題は、事態を悪化させるばかりで、消費者、漁業者、日本経済に重大なリスクをもたらしている。このような困難な背景の中、UMAMI Bioworksは日本が養殖水産物の重要な市場であると見ている。
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3Dプリント培養肉企業Steakholder Foodsと共同開発した世界初の3Dプリント培養魚製品

日本は世界第3位の水産物市場であるだけでなく、水産物消費が日常生活に深く根付いている地域である。2021年には日本の農林水産省が、平均的な国民が23.6kgの魚介類を消費しているとして、日本の水産物消費量が世界のトップ5に入ったことを報告している。

Umami Bioworksはマレーシアで持続可能な食料生産を拡大

細胞培養水産物が持続可能な代替案として浮上して以来、細胞培養水産物の世界的な投資額は2022年に28億ドルに達し、マルハニチロはこのパートナーシップを通じて、ニッチな市場における日本の足場を確立することを目指しており、開発を加速させ、日本における細胞培養水産物の商業生産に必要なインフラ構築に貢献するとしている。
今後両社は複数の戦略に取り組むことを目指しており、特に絶滅の危機に瀕している魚の養殖に重点を置き、マルハニチロからの資金は、日本で研究・ビジネスチームを立ち上げるというUMAMI Bioworksの計画を加速させることが期待されている。マルハニチロにとってこのパートナーシップは、既存の漁業と養殖方法に加え、持続可能な水産物を生産する新たな方法を提供するものである。

Umami BioworkとCULT Food Scienceが開発するキャットフード

マルハニチロは創業以来、良質な魚タンパクの供給を通じて人々の食と健康に貢献。世界中で高まる魚需要に対して、細胞培養技術による次世代の魚タンパク供給体制の確立をめざし、サステナブルな水産物サプライヤーとして、また「海といのちの未来をつくる」総合食品企業として、次世代に向けた新しい価値の創造、そしてより良い世界づくりに取り組んでいる。

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