AppleWatchの製造に金属3Dプリンタを使用

Apple、金属3Dプリント技術を使用して新型スマートウォッチを製造

世界的な家電メーカーである Apple(以下 アップル)は、3Dプリンターメーカー Farsoon Technologies(ファースーン・テクノロジーズ)と、AMソリューションパートナー Bright Laser Technologies(ブライト・レーザー・テクノロジー 以下 BLT)等と協力して、同社の新型「AppleWatch」の主要部品製造に金属3Dプリンティング技術を活用していると報じられている。

報道によれば、アップルはバインダージェットシステムを使用して、次期「Apple Watch」製品のステンレス・スチール製ハウジングを製造するテストを行っているという。さらに、Formnext + PM South China 2023において、中国のバインダージェット3Dプリンターメーカー EasyMFG が、バインダージェット技術を使って316Lステンレス鋼で3Dプリントしたスマートウォッチのケーシングを実演した。これは、スマートウォッチの製造に金属3Dプリントの採用が拡大していることをさらに浮き彫りにしている。
これらの開発案件は3Dプリンティング業界にとって重要な意味を持ち、消費財の連続生産と大量生産にAM(アディティブ・マニュファクチャリング)製造の利用を加速させる可能性がある。

今年7月、香港のアナリストMing-Chi Kuo氏は、アップルが3Dプリント技術を積極的に追求していると報じており、当時同氏は、新型「Apple Watch Ultra」のチタン製機械部品の一部は、金属3Dプリンティングで作られるとの見通しを示しており、ファースーン・テクノロジーズとBLTが3Dプリンターを供給し、産業用レーザーシステムのスペシャリストであるIPGフォトニクスがレーザーコンポーネントを独占的に供給しているとした。
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BLTの金属3Dプリンタ工場

金属3Dプリンティング技術を使ったApple Watchケースはステンレス鋼で3Dプリントされ、後工程でフライス加工される。アップルはこの技術を過去3年間掛けて開発しており、次期「Apple Watch Series 9」のスチールケースでこのプロセスをテストしてきたと伝えられている。新しいスチール製アップルウォッチの消費者向け製品が3Dプリントされるかどうかは不明だが、別の報道では、アップルは2024年にチタン製「Apple Watch Ultra」にAM技術を採用する計画があると報じている。

こうした動きにもかかわらず、3Dプリントはアップルの製造ワークフローの中では少量生産品に留まると予想されている。実際、Apple Watchのケースのほとんどは、iPhoneなどの他のデバイスと同様アルミニウムで作られている。しかし、アルミニウムの3Dプリント技術は未だ大きな進歩を遂げておらず、スチールやチタンなどの素材に力を注ぐと見られている。


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