加熱乾燥に頼らず最大10巻のフィラメントの再吸湿を抑える保管キャビネット「FilaDC i10」
3Dプリンティング関連メーカー SUNLU と INSLOGIC は、3Dプリンター材料の吸湿による造形不良を抑えるため、最大10巻のフィラメントを低湿度環境で保管できる「FilaDC i10」を共同開発した。本システムは加熱乾燥ではなく、室温除湿と吸湿材の自動再生を組み合わせ、日常的な材料管理をより手軽にする。

FDM方式の3Dプリンターで使われるフィラメントの多くは、空気中の水分を少しずつ吸収する。特にナイロン系材料やTPU、PETGなどは湿気の影響を受けやすく、吸湿した状態で造形すると、ノズル内で水分が蒸発して気泡が生じ、糸引き、表面の荒れ、積層間の接着低下などにつながることがある。このため3Dプリンター材料の品質を安定させるには、造形条件だけでなく保管環境の管理も重要になる。

FilaDC i10は一般的な加熱式フィラメントドライヤーとは異なり、キャビネット内の空気を「モレキュラーシーブ」と呼ばれる吸湿材に循環させ、室温のまま湿度を下げる仕組みを採用。モレキュラーシーブは微細な孔に水分子を取り込む材料で、内部センサーが湿度を監視し、吸湿能力が低下するとPTCヒーターを使って自動的に再生するため、乾燥剤を頻繁に交換したり、取り出して加熱したりする手間を減らせるのが特徴だ。公表値では湿度10~45%RHの維持に対応し、動作音は35dB以下、製品表面温度は30℃以下とされる。

FilaDC i10は収納力にも優れており、標準的な1kgスプールを最大10巻まで保管できる。複数色のPLAやPETGを使い分ける個人ユーザーだけでなく、PAやTPUなど吸湿しやすい材料を常用する開発現場、複数台の3Dプリンターを稼働するプリントファームにも適した構成である。
これまでの材料管理では、造形前に加熱して乾燥する方法が一般的だったが、FilaDC i10は乾いた材料を低湿度環境に置き、再吸湿を抑えるという保管側からのアプローチを強めている。そのため、強制的に加熱してフィラメントを再乾燥させる装置とは役割が異なり、日常的な長期保管や品質維持に重点を置いた製品といえる。
予約販売は2026年9月15日に開始予定で、正式な予約価格も同日に公表される予定である。
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