ASAとABSの違いとは?用途別の選び方ガイド

ASAとABSを徹底比較!用途別に選ぶ3Dプリンターフィラメントの最適解

3Dプリンターで実用部品を製作する際、汎用素材であるPLAよりも高い耐熱性・耐衝撃性・耐久性を求める場面では、ASAやABSが有力な選択肢となります。なかでも屋外使用や紫外線、雨風にさらされる部品にはASA、室内用の治具や機械部品、試作品にはABSが適しています。
3Dプリンター用材料専門ショップ 3DFS id.arts では、高機能なASAおよびABSフィラメントを多数ラインアップしており、用途に応じて、耐候性、難燃性、軽量性、耐衝撃性などを備えた材料を選ぶことができます。この記事では、ASAとABSの違いや、それぞれに適した用途や推奨商品について解説します。

ASAフィラメントとABSフィラメントを比較

■ 屋外用途ならどちらを選ぶべき?

ABSは長年、機能部品向け3Dプリント材料の定番として使われてきました。しかし、屋外で使用する部品には大きな弱点があります。それは紫外線(UV)による劣化です。一方、ASAはその弱点を克服するために開発された材料で、ABSとほぼ同等の機械的強度を持ちながら、紫外線や風雨に対して非常に高い耐久性を備えています。

■ ASAとABSの違い

ASAとABSは非常によく似た材料ですが、最も大きな違いは樹脂の構造にあります。
ABSは「アクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)スチレン(S)」から構成されています。この中のブタジエンが高い耐衝撃性を生み出していますが、同時に紫外線に弱いという欠点があります。ABSが長期間紫外線を浴びると、黄変、ひび割れ、強度低下、脆化が進行してしまいます。一方、ASAではブタジエンの代わりにアクリレートゴムが使用されており、このアクリレートは紫外線に非常に強いため、長期間屋外で使用しても、色あせしにくい、強度が落ちにくい、割れにくいという特徴があります。

ASAとABSの性能比較

項目 ASA ABS
強度
耐衝撃性
耐熱性
UV耐性 ◎ 非常に高い △ 低い
耐候性
色あせ 少ない 発生しやすい
屋外使用

屋内用途であればABSでも十分ですが、屋外環境ではASAが圧倒的に有利です。

■ 実際にはどのくらい差がある?

例えば屋外に設置した部品では、ABS製部品は数か月程度で、黄色く変色する、表面が劣化する、割れやすくなることがあります。これに対しASAは、半年以上屋外で使用しても、色を維持し強度を保ち、見た目もほとんど変わらないという性能を発揮します。

■ 機械的性能はほぼ同等

「ASAは耐候性が高い代わりに弱いのでは?」と思われがちですが、実際には、引張強度、曲げ強度、耐衝撃性などはABSとほぼ同レベルです。つまり、「ABS並みの強度を持ちながら、屋外でも劣化しにくい」のがASA最大の特徴です。

■ ASAの代表的な用途

太陽光や雨風にさらされる部品に最適なASAは、次のような屋外用途に適しています。

  • 屋外用電子機器ケース
  • 防犯カメラブラケット
  • アンテナ部品
  • ドローン部品
  • ガーデニング用品
  • 自動車外装部品
  • ソーラーパネル固定具
  • 屋外看板
  • 建築用ブラケット
  • マリン用品

■ ABSが向いている用途

ABSにも優れた点があります。例えば、試作品、室内用治具、家電筐体、工作部品、機械部品など、屋内で使用する用途では今でも非常に優秀な材料です。また、ASAより価格が安いこともメリットのひとつです。

■ 造形条件はほぼ同じ

ASAとABSは印刷条件もよく似ています。共通して、高温ノズル(約240〜260℃)、ヒートベッド(約90〜110℃)、エンクロージャー(密閉環境)が推奨されます。ただし、ASAはABSより反りがやや少なく、実際の造形では扱いやすいケースもあります。

屋外用途に強いASAフィラメント

ASAは、ABSに近い強度や耐熱性を持ちながら、紫外線や風雨に対する耐性を高めた材料であり、屋外に設置するカバー、ブラケット、センサーケース、ドローン部品、自動車関連パーツ、屋外設備部品などに適しており、3DFS id.artsでは、ASAフィラメントとして、以下のような製品を取り扱っています。

● 高耐候ASA「ApolloX

ApolloX」は、FormFuturaを代表するASAフィラメントで、ABS並みの優れた機械的強度と耐熱性を備えながら、高い耐候性とUV耐性を実現。反りが少なく、大型造形でも安定したプリント品質が得られることから、屋外設備部品、産業機器カバー、ドローン部品、建築関連パーツなど、長期間使用する実用部品に適しています。
ApolloXの詳細はこちら

● 環境配慮型リサイクルASA「ReForm rApollo

ReForm rApollo」は、ApolloXの製造工程で発生する高品質な材料を再利用して製造されたリサイクルASAフィラメントです。ApolloXと同等の優れた耐候性や機械的性能を維持しながら、環境負荷を低減。サステナブルな製造を重視するユーザーや企業にもおすすめです。
ReForm rApolloの詳細はこちら

● 難燃性能を備えたASA「ApolloX Flame Retardant

ApolloX Flame Retardant」は、ApolloXシリーズの性能をベースに、UL 94 V-0準拠の難燃性能を付加した高機能ASAフィラメントです。耐候性・耐紫外線性に加え、高い難燃性を備えているため、産業機器、電気・電子機器筐体、車載用途など、安全性が求められる部品製作に適しています。
ApolloX Flame Retardantの詳細はこちら

また、本製品には「Bambu Coils 仕様」も用意されています。これはBambu Lab純正スプールへ巻き替えて使用するためのコイルタイプであり、Bambu Labユーザーはもちろん、対応スプールを使用できる他社製3Dプリンターでも利用可能です。
Bambu Coils 仕様の詳細はこちら

● 軽量・高剛性を実現する発泡ASA「ApolloX Foaming

ApolloX Foaming」は、造形時に発泡する特殊ASAフィラメントです。造形温度を調整することで最大約3倍まで発泡し、材料使用量を抑えながら軽量かつ高剛性な造形物を製作できます。また、発泡によって積層痕が目立ちにくく、美しいマットな表面仕上げになることも特長で、RCカー・ドローン・航空模型・ロボット部品・大型軽量モデルなど、軽量化を重視する用途に最適です。
ApolloX Foamingの詳細はこちら

用途に合わせ選ぶASA

用途 おすすめ製品
汎用屋外部品・産業用途 ApolloX
環境配慮・サステナブルな製造 ReForm rApollo
難燃性が必要な産業・電装用途 ApolloX Flame Retardant
軽量構造物・ドローン・RC・大型造形 ApolloX Foaming

 

その他の耐候性材料

屋外で使用する部品や長期間の耐候性を重視する用途では、ASAだけでなく、3DFS id.artsの「耐候性フィラメント」カテゴリにラインアップする製品群もおススメです。同カテゴリには、ASAに加え、紫外線や雨風、温度変化に強い各種エンジニアリングフィラメントを複数ラインアップ。屋外設備部品、建築関連パーツ、農業機器、産業用治具、ドローン、自動車関連部品など、使用環境や求める機械特性に応じて最適な材料を選択できます。ABSより高い耐候性が求められる場合は、ASAだけでなく、このカテゴリから用途に適したフィラメントを選ぶことで、より長寿命な3Dプリント部品を製作できます。

室内用実用部品や高強度パーツに適したABSフィラメント

ABSは、優れた耐衝撃性・耐熱性・加工性を兼ね備えた、3Dプリンター用エンジニアリングフィラメントの定番です。試作品はもちろん、治具や機械部品、筐体など、強度や耐久性が求められる用途で幅広く活用されています。
3Dプリンター用材料専門ショップ3DFS id.artsでは、用途に応じて選べる多彩なABSフィラメントをラインアップしています。

● バランスの取れた高強度ABS「ABSpro

ABSpro」は、FormFuturaが開発したPC-ABS系フィラメントです。ABSにSMA(スチレン無水マレイン酸)とポリカーボネート(PC)を配合することで、耐衝撃性、耐久性、寸法安定性を大幅に向上。層間接着性にも優れており、機械部品や治具、機能試作品など、高い信頼性が求められる造形に最適です。光沢のある美しい表面仕上げも魅力です。
ABSproの詳細はこちら

● 難燃性能を備えた高機能PC-ABS「ABSpro Flame Retardant

ABSpro Flame Retardant」は、ABSproをベースに開発された難燃性PC-ABSフィラメントです。ABSproが持つ高い耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、優れた層間接着性を維持しながら、UL 94 V-0相当の優れた難燃性能を実現しています。そのため、電気・電子機器の筐体や制御ボックス、産業機器、自動化設備、研究開発用部品など、安全性と機械的強度の両立が求められる用途に適しています。
ABSpro Flame Retardantの詳細はこちら

● 高性能ABS「TitanX

TitanX」は、ABS特有の反りや収縮を大幅に抑えながら、高い機械強度と優れた寸法精度を実現したエンジニアリンググレード材料です。大型造形や精度が要求される機械部品でも安定したプリント品質を発揮し、世界中のプロフェッショナルユーザーから高い評価を得ています。
TitanXの詳細はこちら

● 高性能とサステナビリティを両立した「ReForm rTitan

ReForm rTitan」は、TitanXの製造工程で発生した高品質な材料を再利用して製造されたリサイクルABSフィラメントです。TitanXと同じ配合・性能を維持しながら、環境負荷を低減。優れた寸法安定性や反りの少なさ、高い機械特性をそのまま継承しており、サステナブルなものづくりを目指すユーザーにおすすめです。
ReForm rTitanの詳細はこちら

● 高剛性・高耐熱のガラス繊維強化ABS「FibreX ABS+GF

FibreX ABS+GF」は、ABSにガラス繊維を配合した高剛性フィラメントです。通常のABSでは課題となる反りや収縮を大幅に抑え、非常に高い寸法安定性を実現。構造部品や治具、産業用途など、高い剛性や耐熱性が求められる用途に適しています。機械的負荷にも強く、約98℃までの環境で使用できる高性能ABSです。
FibreX ABS+GFの詳細はこちら

● 機能性とデザイン性を両立した「EasyFil ABS Glow

EasyFil ABS Glow」は、FormFuturaのEasyFil ABSをベースにした蓄光タイプのABSフィラメントです。一般的なABSよりも耐衝撃性や造形安定性に優れ、反りを抑えながら美しい造形が可能。暗闇では鮮やかなグリーンに発光するため、装飾部品やサイン、ホビー用途、防災用品など、機能性とデザイン性を兼ね備えた造形に最適です。
EasyFil ABS Glowの詳細はこちら

用途に合わせ選ぶABS

用途 おすすめ製品
機械部品・治具・試作品 ABSpro
電気・電子機器・産業設備・難燃用途 ABSpro Flame Retardant
高精度・大型造形・プロユース TitanX
サステナブルなものづくり ReForm rTitan
高剛性・高耐熱の構造部品 FibreX ABS+GF
蓄光・デザイン・ホビー用途 EasyFil ABS Glow

3DFS id.artsでは、標準的なABSから高機能エンジニアリンググレードABSまで幅広く取り揃えています。造形物に求める性能や使用環境に合わせて最適なフィラメントを選ぶことで、3Dプリント部品の品質や耐久性をさらに高めることができます。

まとめ|用途に合った材料選びが、3Dプリント成功の第一歩

ASAとABSは、どちらも機能部品の製作に適した高性能な3Dプリンター用フィラメントですが、それぞれ得意とする用途が異なります。屋外で長期間使用する部品や、紫外線・雨風にさらされる環境ではASAが優れた耐候性を発揮しますが、一方、室内で使用する治具や試作品、機械部品などでは、ABSの高い強度や加工性、コストパフォーマンスが大きな魅力となります。つまり、「どちらが優れているか」ではなく、用途や使用環境に合わせて最適な材料を選ぶことが、3Dプリントの品質や耐久性を最大限に引き出すポイントです。
3Dプリンター用材料専門ショップ3DFS id.artsでは、今回ご紹介した製品の他、用途に応じた幅広い3Dプリンター用フィラメントを取り揃えています。「屋外で使いたいけれど、ASAとABSのどちらが良いか分からない」「もっと強度が欲しい」「軽量化や難燃性も重視したい」など、材料選びで迷った際は、ぜひ3DFS id.artsへお気軽にご相談ください。豊富なラインアップと専門知識をもとに、お客様の用途や造形環境に最適な3Dプリンター用材料選びをサポートいたします。


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