世界的ファッションブランドCHANELはコスメ商品の量産に3Dプリント部品を採用する
世界的ファッションブランドCHANEL(以下 シャネル)の化粧品部門である『Chanel Parfums Beauté(シャネル・パフューム・ボーテ)』は、フランスに本拠を置くAM企業「Erpro 3D Factory」と提携し、3Dプリンタで生産されるマスカラブラシの量産を開始することを発表した。
2001年シャネルのデザインチームは、高価で時間のかかる従来の金型生産から、柔軟性を高め時間とコストを節約することができる3Dプリント技術に着目し、2007年に3Dプリントマスカラブラシに関する特許を申請。
10年以上に渡る研究の末、3Dプリント専門企業Erpro 3D Factoryと協力し、3Dプリント技術を利用したマスカラブラシの量産を開始することを決定した。
3Dプリントプロセスの詳細は、特許によって保護されているため不明だが、粉末ポリアミド(ナイロン)材料を利用した一般的なSLSプリント方式がベースとなっている。
またシャネルは、量産タイプの3Dプリントブラシを開発するため、100を超えるプロトタイプを制作しているが、これは従来の金型成形では困難であった数で、これだけのプロトタイピングを実現したのは、3Dプリント技術のメリットのひとつと言える。
デザインチームは、このような3Dプリント技術のメリットを活かし、ブラシデザインの微調整を重ねることで最適な形状を見つけだし、最良の量産モデルを決定した。
Erpro 3D Factoryには現在6つの産業用3Dプリンタがあり、1台当たり最大50,000個のブラシを生産することが可能で、これは毎月100万個のブラシを生産する能力を有していることになる。
シャネルはErpro 3D Factoryの有する生産能力をベースに、2018年6月からシャネルブランドマスカラ「LeRévolution Volume」の工業生産をスタートし、2018年秋にカナダから発売を開始する。
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