BMF 最新ケーススタディVol.5

がん治療の希望の光、高精度3Dプリントによるマイクロニードル

化学療法は、腫瘍やがんの治療に不可欠な方法だが、従来の化学療法では、主に静脈注射と血液循環によって薬剤を標的部位に送りこむ。しかし、この方法は効率が悪く、薬剤の量が少ないと治療効果が弱く、薬剤の量を上げていくと毒性が強くなり体に害を与えるという大きな矛盾がある。科学者たちは最近、BMF(Boston Micro Fabrication)の超高精度3Dプリント技術(microArch®S130、光学解像度=2μm)を用いてマルチマイクロチャネルマイクロニードルを作成し、化学療法薬を効率的、安全かつターゲットに送達する新しいアプローチを提案し、癌治療に新しい光をもたらしている。
この研究は「Multimicrochannel Microneedle Microporation Platform for Enhanced Intracellular Drug Delivery」というタイトルで、権威ある学術誌「Advanced Functional Materials」に掲載された。 また、この研究の臨床応用と産業化を加速させるため、新会社を設立した。

Fg. 1 研究の流れ(クリックで拡大)

研究チームはまず、BMFの超高精度3Dプリンタ「microArch®S130」を使い、内部に複数のチャンネルを持つマイクロニードルアレイを作製。このマイクロニードルを使って化学療法剤を患部に正確に送り、さらに電界を使って薬剤の拡散を促進し、がん細胞の内部に浸透させることに成功した。

Fig. 2 薬剤送達方法の模擬図

マウスを使った実験の結果、この新しい方法の優れた点が次のように指摘されている。

  1. 腫瘍内への薬物送達効率は、従来の静脈内投与法の10倍以上であること。
  2. がん細胞の増殖指数(Proliferation Index)が従来の点滴法に比べて20%低い。
  3. 他の臓器に大きな影響を与えない。一方、従来の静脈内投与法では、心臓、肝臓、腎臓、腸などの臓器の質量が50%~76%減少している。

Fig. 3マイクロニードル基底部の直径160μm、内部チャンネルの直径40μm(人間の毛髪の直径は約100μm)


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