3Dプリント骨足場が臨床現場に革新をもたらす

BellaSeno、カスタムメイドされた3Dプリント骨足場で外傷治療領域へ進出

3Dプリント技術を活用した乳房再建技術などを開発するドイツの医療機器製造業者 BellaSeno(以下 ベラセノ)は、ハノーバー医科大学の外傷外科クリニックのチームと協力し、患者の腕の治癒をサポートするためにカスタムメイドされた骨スキャフォールド(骨足場)を作製した。

この患者は、外傷の修復と創傷治癒のため過去に6回以上の手術を受けていた。今回治療に当たったハノーバー医科大学外傷外科クリニックのチームは、患者の大腿骨から骨移植片を採取し、医療用ケミカル大手 Evonik(以下 エボニック)の生体吸収性ポリマー「RESOMER」を利用して複合材を生成し、患者の骨(約14cm)の修復に使用した。

外傷、創傷治療、腫瘍外科のような分野では患者によって状態が異なるため、標準化されたソリューションでは不十分な場合があるが、3Dプリント技術を活用することで、個々の患者に最適なカスタマイズされたコンポーネントを提供することが可能となる。
しかし、潜在的なリスクや副作用を考えると、ポリマーや金属が長期に渡り体内に存在することへの懸念があり、その多くは十分に理解されていない。しかし、エボニックの材料で作られた再吸収性インプラントは、時間の経過とともに体内に溶け込むように設計されているため、長期的な合併症のリスクを軽減し、より安全な代替手段を提供することができる。

ベラセノのような企業が主導するこれらのイノベーションは、医療の将来にとって重要な分野であり、従来の解決策では不十分な領域において、患者の治療を一変させる可能性を秘めている。


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る