MarkforgedがDigital Metalを買収

MarkforgedがDigital Metalを買収しバインダージェット積層造形に参入

高品質な金属およびカーボンファイバー3Dプリンティング向けクラウドベースのAIプラットフォーム「The Digital Forge」を開発する3Dプリンタメーカー Markforged(マークフォージド)は、スウェーデンのヘガナスに拠点を置く世界有数の金属粉末メーカー Höganäs AB(以下 ヘンガス)の子会社で、独自のバインダージェット式積層造形技術を提供する Digital Metal(以下 デジタルメタル) を買収。デジタルメタルの技術をデジタルフォージ・プラットフォームに統合する。

2003年に世界的金属粉末開発企業ヘンガスの完全子会社として設立されたデジタルメタルは、過去20年で、バインダージェット3Dプリンタと付属機器のポートフォリオを確立。デジタルメタルの主力システムである「DMP/PRO」シリーズは、70,400個のノズルを持つプリントヘッドを搭載し、2ピコリットル(1兆分の1リットル)の液滴を高精度で高速噴射。また、厚さ160mmのダイアベースのプラットフォームとリニアモーター、エアベアリング駆動により、経時的な精度を確保しながら、8000×1600DPIという圧倒的な解像度のプリントを実現している。


Digital Metal’s DMP PRO

デジタルメタルは近年、DM D2工具鋼との互換性を追加し、2021年初めに独自のDM Cu銅3Dプリントパウダーを導入するなど、継続的にポートフォリオを拡大。さらに最近では、システムの機能を強化するため、プリント後のパウダーリサイクルを機械化し、連続生産を可能にする自動デパウダリングステーションを発表した。

マークフォージドは、パウダーバインダージェッティングを「拡張性の高い積層造形技術」と位置づけており、高精度でクラス最高品質と信頼性を提供するデジタルメタルのバインダージェッティング技術を統合することで、既存のデジタルフォージのサービスを補完し、対応可能な市場を拡大することができると期待している。

マークフォージドは今回の買収に当たり、ヘンガスに対し、現金3,200万ドル(約43億5000万円)と普通株式約410万株を支払い、デジタルメタルの全権を取得予定。マークフォージドはまた、現金150万ドル(約2億400万円)を支払い、特定の企業間取引残高を決済することにも同意。この取引には一定の条件が付けられているが、2022年第3四半期中に実行される見込みであるとしている。


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る