FFF方式の3Dプリント速度を倍増させるアルゴリズム

ミシガン大学は品質を犠牲にすることなくコンシューマー3Dプリンタを高速化するアルゴリズムを開発

ミシガン大学の研究プロジェクトSmart and Sustainable Automation Research Laboratory(S2A Lab)のエンジニアチームは、コンシューマー向けFFF方式3Dプリンタの標準速度を倍増させる画期的なソフトウェアアルゴリズムを開発した。

「Filtered b-spline algorithms(以下 FBS)」と名付けられた振動補正のためのソフトウェアアルゴリズムは、コンシューマー向けFFF方式デスクトップ3Dプリンタの課題であるプリント速度を向上させるため、モーターの振動を予測し緩和するアルゴリズムを用いて、通常の2倍以上の高速3Dプリント実現する。

FFF方式3Dプリンタでは、材料を吐出するエクストルーダーを各軸に移動させ積層造形を行うが、モーターの回転によるヘッドの移動によって引き起こされる振動により、一定以上の速度でプリント実行すると、歪みなどのエラーが発生する。このため、一定レベルの品質で造形を行うには、プリント速度に上限を設ける必要がある。

ミシガン大学の研究チームによって開発されたFBSアルゴリズムは、3Dプリント中に発生する振動を事前に予測し、プリント速度を上げても表面のうねりやリンギングのようなエラーが出ないよう、その原因を効果的にブロックするソフトウェア補正技術が用いられている。

このFBSアルゴリズムを採用することで、コンシューマー向けFFF方式デスクトップ3Dプリンタの造形速度、精度、信頼性が向上し、低コストなデスクトップ3Dプリンタでも安定した高速3Dプリントを実行することができる。

左)FBS無しの高速3Dプリント、右)FBSを適用した高速3Dプリント

研究チームは現在、FBSアルゴリズムに興味を示しているメーカーなどと交渉を進めており、多くのRepRap3Dプリンタで使用されているMarlin、RepetierといったファームウェアにFBSアルゴリズムを導入しようとしている。


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