世界初となる医薬品グレードの3Dプリント製医療用大麻吸入器
イスラエルに本拠を置くドラッグデリバリー企業「Syqe Medical」は、慢性疼痛患者のため開発された世界初のポケットサイズ3Dプリント大麻吸入器「Syqe Inhaler」をリリース。2018年に米国食品医薬品局(FDA)の試験を開始する。
2014年、3Dプリント製医療用マリファナ吸入器の開発を開始したSyqe Medicalは、Teva Pharmaceuticalsなど複数の製薬会社や投資家から、約3300万ドルの資金を調達し、開発規模を拡張。
その後、イスラエルの都市ハイファでパイロットプログラムが承認され、数百人がこの3Dプリント大麻吸入器を使用し、臨床試験によいて薬物投与の正確性、安全性、忍容性、有効性および使用の容易性について一定の評価を得ることに成功した同社は、2018年度中に米国食品医薬品局(FDA)による試験を受け、認証後に医療用大麻が合法化されている州などへの展開を計画している。
医療用マリファナは、一部の国や地域で合法的な薬物療法として使用されているが、患者が大麻をどのように適切に消費すべきかについての議論が続いてる。
Syqe Medicalの吸入器には、より適切な大麻の投与量をコントロールするためのセンサーが搭載されており、リアルタイムでユーザがどのように吸入しているかを調べ、吸入速度に応じて最適な熱および流量を増減することができるため、患者の症状緩和と精神活性のために最適なバランスを提供し、生活の質を回復することを可能にしている。
大手製薬会社は現在、この3Dプリント大麻吸入器を量産するため、イスラエル周辺の施設に3Dプリンタの配布を開始している。
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