- 2022-5-28
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3DCP Groupは屋根と基礎も含め3Dプリントした安価な狭小住宅を建設
デンマークの建設3Dプリンティングスタートアップ 3DCP Group(以下 3DCPグループ)は、デンマークのホルステブロに、大型建設用3Dプリンタを用いた37平方メートルの小さな3Dプリントハウスを建設した。
All image : 3DCP Group
この小さな3Dプリントハウスは、延べ床面積わずか37平方メートルの空間内に、バスルーム、オープンキッチン、リビングルーム、ベッドルームを備えており、ベッドルームはより効率良くスペースを節約するため、バスルーム上部に配置されている。またインテリアについては、北欧の伝統的な建築様式にならい、木材を用いたインテリアで統一されている。
設計を担当した Saga Space Architects の建築家 Sebastian Aristotelis 氏は、次のように述べている。
「私たちの目標は、一般的な住宅に備わる空間と機能を備え、かつ学生でも余裕を持って住めるような低価格の住宅を造ることでした。そのため、1平方メートルの面積を有効に使いながら、真ん中に大きなオープンスペースを設け、大きな家に住んでいるような感覚を味わえるような設計にしました。」
この目標を達成するため3DCPグループは、COBOD の建設用大型3Dプリンタ「BOD2」を採用し、低コストの狭小住宅の建設を実現。3DCPグループのCEOである Mikkel Brich 氏によれば、建設用3Dプリント技術は、従来のコンクリート工事に比べてコンクリートの使用量が70%少なく、建設現場のCO2排出量を最大で32%削減できるといった研究結果を示しており、工程の自動化や建設ロボットによる建築を行うことで、建設工程における工数を最大50%削減することも可能としている。
この小さな3Dプリントハウスは、それぞれがユニークな形状をした5つの屋根を有しているが、このような屋根をプレキャスト工場から調達することは事実上不可能であり、従来の型枠技術で製作するにはコストが掛かり過ぎると判断。
そこで3DCPグループは、屋根パーツを3Dプリンタで造るため、屋根の最初の部分を地面でプリントし、プリントを終えた屋根パーツを所定の位置に吊り上げて一緒に成形する革新的な工法を採用した。
COBOD の創業者兼ゼネラルマネージャーである Henrik Lund-Nielsen 氏は、この小さな3Dプリントハウスの成功について「3DCPグループは、我々の3Dプリント技術が壁を造るだけでなく、基礎や屋根を造るのにも役立つことを証明しました。型枠設備を必要とせず、我々の技術を使って珍しい形状の屋根を作ることは、世界の建設部門にとって新しいコスト削減の方法を示しています。」と語っている。
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