3D Ptinting 2017 プチレポート

Carbonも出展した「3D Printing 2017 Additive Manufacturing Technology Exhibition」

2017年2月15~17日までの3日間、第三回目となる3Dプリンティング展示会「3D Printing 2017 Additive Manufacturing Technology Exhibition(以下 3D Printing)が、東京ビッグサイトで開催された。
今回の 3D Printing では、後述する「Carbon」など話題の3Dプリンタメーカーも出展し、会場スペースや出展数も前回を上回る規模となった。

話題のCarbonも国内初出展

2015年春、当サイトにてご紹介し大きな話題となったCarbon(関連記事はこちら)社の革新的高速3Dプリント技術「CLIP」テクノロジー。
この技術を採用した初の商用機「M1」を2016年にリリースしたCarbon社が、3D Printing に初出展。
※ Carbonブースは、2016年に日本からCarbon社へ出資を行ったNikonとJSR(関連記事はこちら)による共同出展。

今回3Dプリンタ本体の展示は無かったが、M1によって出力された素材別造形サンプルが多数展示されており、来場者の高い関心を集めていた。

Carbon社は、2017年度中に日本へ向けてMシリーズをリリースする計画をしているが、具体的な内容などは未定。ただし、基本的な販売方法については、本国同様のサブスクリプション方式が採用される予定で、価格帯も本国同程度になるのではないかと考えられている。
※M1のサブスクリプション価格等に関する詳細はこちら

Formlabsは進化した新材料とForm 2を展示

先日、新たに数種類のエンジニアグレード材料セラミック材料を発表したFormlabs社は、Form 2本体と共に発表されたばかりの新材料サンプルを展示。

写真は、品質改良された新しいグレー材料「Grey V3」と、透明レジン「Clear V2」を使って造形した腕時計(弊社提供データより出力)のサンプル。
この腕時計データは、量産時に使用した3DCADデータをSTL形式にコンバートした物で、一定レベル以上の精度が要求されるデータとなっているが、Grey V3では細部までキレイに造形出来ていることが確認できる。

精度の高さとマットな質感が特徴的なGrey V3は、デザイン追求など意匠設計段階から高精度サンプルを必要とするユーザーにも最適な素材と言える。

 

研磨仕上げ見本
3D Printing 2017開催直前に「透明アクリル素材の研磨事例」で紹介した、研磨仕上げサンプルを同社ブースにて展示。期間中、多くの来場者から高い関心を集めた。

下写真は、Form2とクリアレジンで出力した造形物を、3Dプリント用研磨材「TuneD3」で研磨したサンプル。

また同社ブース内では、開発中の新材料「セラミック樹脂 Ceramic Resin」を使用した造形サンプルも展示(写真中央の白いメッシュ形状と左の白いリング)。
製品化まではまだ時間を要するようだが、今後の展開に期待したい。

Formlabsの隣に出展したデジタルファクトリー社のブースでは、卓上小型射出成型機「EASY MOLD」を展示し、Form2で出力した樹脂成形型(成形機上に置かれた半透明の物)を用いた小ロット射出成形プロセスを紹介。


成形機上に置かれた半透明の造形物は、Form2で3Dプリントされた樹脂金型

PolymakerはPolysherデモ機とPolycastを展示

Polymakerブースでは、FFF方式で3Dプリントされた造形物の表面をほぼ自動で滑らかにする画期的な装置としてKickstarterで大成功したPolymakerの表面加工機『Polysher』と、PVBベースの専用材料『PolySmooth』(詳細はこちら)を利用した表面加工サンプルを展示。


展示されていたデモ機では、水蒸気を利用した疑似的な薬品噴霧を再現。

2017年春節前、一部のKickstarter支援者(北米)に向け初期製品が出荷されたPolysher。その他多くの支援者に対する出荷は3月後半以降を予定しているが、国内デベロッパーからの正式なリリース時期などは未定となっている。

これと同時に、Polymakerは話題の新材料「Polycast」のサンプルを展示。
Polycastは、インベストメント鋳造のために特別に設計された新しい3Dプリント用フィラメントで、Polysher技術を併用することで容易に高品質な鋳造原型を造形することができる革新的な材料。(Polycastに関する詳細はこちら

Polycastから生成された鋳型サンプルも展示

高精細FFF方式3Dプリンタ「Raise3D」

積層ピッチ0.01mmと、インクジェット並みの高精度をうたいKickstarterでも多くの支援を受けたFFF方式3Dプリンタ「Raise3D(レイズ3D)」も出展。

PLAやABSの他、PETGやカーボンなど様々な材料に対応する基本性能の高さを有するRaise3Dだが、展示されていた造形物の精度は、他の高精度FFF方式3Dプリンタを凌駕するほどの性能は確認できなかったため、若干セッティングの詰めの甘さが感じられた製品となっていた。

高精細なセラミック3Dプリンタ

3D Printingと同時開催されていた「nano tech 2017 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」では、ミクロンレベルの高精細セラミック3Dプリンタ「SZ」シリーズをリリースする写真化学が出展し、同社の高精細セラミック3Dプリント技術による造形サンプルなどを展示。

2年ほど前からセラミック3Dプリントシステムを販売すると言う写真化学のセラミック3Dプリント技術は、光硬化樹脂にセラミックパウダーを混ぜた材料を光造形方式で3Dプリントし、出力された造形部を焼結炉で焼成させるというプロセスで、高精度なセラミック造形物を完成させる。

従来のパウダー材料による造形と異なり、光造形方式による造形を行うため、ミクロン単位の高精度セラミック3Dプリントが可能となる。

3Dプリント造形~焼結という工程を経るため、設置環境に応じた材料の混合率や収縮率の計算が必要になるが、ミクロン単位の高精細セラミック3Dプリントを行うことができる同社の技術は、医療や化学など様々な分野への展開が期待できる。

その他

形状記憶フィラメント
フィラメント工房のブースでは、キョーラク株式会社と株式会社SMPテクノロジーズが共同開発した、形状記憶樹脂フィラメント『SMP55』による常設デモを開催。当サイトでも紹介し、大きな話題となった「SMP55」は、来場者の注目を集め、常にブースは混雑した状態が続いていた。

Keyence
プロユースを意識したKeyenceブースでは、AGILISTA(アジリスタ)と複数の樹脂材料を活用した試験装置などのデモを展示。

ミマキのフルカラー3Dプリント
DMM.makeなど一部のサービスビュローでもサービスを提供しているミマキエンジニアリングのインクジェット方式フルカラー3Dプリントシステム。
同社ブースでは、1,000万色フルカラーのUV硬化インクジェット方式で出力された造形サンプルを展示。

カラー石膏3Dプリントでは実現できない質感と発色性が特徴のカラー3Dプリント技術。

 

毎年複数の企業へ、サンプル提供などで協力しているid.artsでは、今回造形事例の一つとしてformlabs社へデモデータ(腕時計モデル)を提供させていただきました。


関連記事

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

   

ページ上部へ戻る