3Dプリンタで作られた世界最大級のオルガンがヘルシンキで新年を祝う
2024年1月1日、フィンランドのヘルシンキにあるヘルシンキ・ミュージックセンターでは、オーストリアのオルガン製作会社 Rieger Orgelbau（以下 リーガー）によって製作された3Dプリントオルガンが初披露された。落成式では、フランスのオルガニストであるオリヴィエ・ラトリが3Dプリントオルガンを演奏し、新年を祝った。
伝統的なオルガン建築の要素と現代の3Dプリンティング技術が組み合わされた3Dプリンタ製オルガンは、合計260メートルを超える響管と管路を備えており、フィンランドのみならずスカンジナビア最大であり、リーガーがこれまでに製作したオルガンの中で2番目に大きい世界最大級の大きさを誇る。
3Dプリンティング技術を用いて製造された124個のパイプと管路部品は、100％リサイクル可能なフィンランドの木材ベース「UPM Formi 3D」バイオコンポジットから作られており、視覚的にも印象的で、特別な響きを実現している。
3Dプリントされた部品はリーガーによって手作業で仕上げられた後、ヘルシンキに輸送され、コンサートホール内で組み立てと調整が行われた。材料に使用された木質バイオコンポジットは、スピーカーキャビネットなどに使われる音響特性を本質的に有しており、収縮が少なく冷却が早いため、大判3Dプリンティングに最適な素材となっている。
このオルガンのプロジェクトでは、適切な素材、信頼性が高く柔軟でコスト効果の高い製造工程、さらにリサイクル可能で持続可能な製造方法を実現する3Dプリンティング技術が採用されており、ヘルシンキ音楽センター財団の専務理事で、オルガン・プロジェクトのプロジェクト・マネージャーであるカイサ・ナレランタ氏は「3Dプリント技術を使用したオルガンは素晴らしい音色です。コンサートホールを一般に公開し、1月から新しいオルガンと演奏家が提供する音楽と視覚的な体験の両方を楽しめるのことは大変素晴らしいことです」とコメントした。
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