明治大学3Dプリンタで高密度な毛の生成作技術を開発

明治大学先端数理科学研究科の学生が高密度な「毛」を生成する3Dプリント技術を開発

明治大学の学生は、FFF(熱溶解積層)方式3Dプリンタを用いて、極細で高密度な「毛」のような構造を作り出す造形手法を開発。

本研究は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業「センター・オブ・イノベーション(COI)プログラム」の支援を受け、エポック社、ミツイワの協力のもと進められたプロジェクトの成果である。

エポック社は、同社商品「シルバニアファミリー」の開発に3Dプリンタを導入し、試作段階からデザイン検証に使用している。しかし、高精度な3Dプリンタを使用しても「動物の尻尾」や「芝生」のような出力困難な形状が多々あり、本研究はこうした課題の解決と3Dプリンタによる先進的表現を実現すべため始まったプロジェクトである。

今回開発された造形手法では、熱溶解したプラスチック樹脂を3Dプリンタのノズルで引き伸ばすことで、細い毛のような構造物を生成。また、この構造を「橋渡し」するように固定し、造形後に切り離すことで、フサフサとした「毛」のような造形物を生成することもできる。

毛のような構造物を生成するため、3Dプリンタを制御するパラメータを研究することで、1本ごとの構造の極細化、全体の高密度化を実現。1本当たりの造形可能直径は0.08~1.5mm程度で、人間の髪の毛の細さに匹敵する。また、安定した造形が行えるため、長毛や円状に広げた形状を作ることもできる。

今回の研究を企画したミツイワは、本研究成果を踏まえ、玩具製品の他、インテリアや装飾業界への実装を目指し、3Dプリンタ技術を活用した新たなものづくり分野への進出を検討している。

本研究内容は、2017年12月6~8日に山梨県で開催される「WISS 2017」で「ブリッジ構造と樹脂の引き伸ばしを用いた高密度な毛構造の造形手法」と題して発表される。


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