米陸軍、弾薬容器を3Dプリンターで現地生産

第二次大戦以来の弾薬包装改革、軽量ポリマーと3Dプリンターで軍事物流を変革

米陸軍の DEVCOM(戦闘能力開発司令部)は、弾薬容器の供給不足や物流網の寸断に備え、3Dプリンターによる緊急生産と前線でのオンデマンド製造に向けた研究を次会計年度から開始する計画を発表。軽量ポリマー容器「SixPAC」の開発と並行し、軍需物流そのものを変える取り組みとなる。

米陸軍が見直そうとしているのは、単なる弾薬箱の形ではなく、その生産方法と供給網そのものにある。DEVCOMが開発する「SixPAC」は、6.8mm弾向けの軽量ポリマー製内箱2個を鋼製外装に収める新しい包装システムで、小火器用弾薬包装としては第二次世界大戦以来の大規模な刷新と位置付けられている。従来方式で使われてきた木製外装は手作業による組立や防腐処理が必要で、カビや供給不足も課題だったが、SixPACではこれを見直し、ポリマー製内箱の重量を従来の鋼製M2A2容器のおよそ半分まで減らすことを目指している。

従来の金属製容器にはプレス、金型、溶接などを備えた専用設備が必要だが、SixPACの内箱は射出成形を中心に製造でき、米国内では800社を超える事業者が生産可能と見積もられているため、供給先を増やすことで、戦争や災害などで特定工場が停止した場合のリスク低減にもつながる。
そして次の段階が3Dプリンターである。米陸軍は需要が急増して既存メーカーの生産が追いつかない場合、3Dプリンターで弾薬容器を補完生産する方法を研究しており、将来的には前線基地など必要な場所へデータを送り、その場で容器を製造する構想も視野に入れている。現時点では使用する3Dプリンター材料や造形方式は公表されていないが、軍用品として採用するには耐衝撃性、寸法安定性、温度変化への耐性、長期保管性能などを満たす3Dプリンター材料の開発・選定が重要になる。


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