米海兵隊、3Dプリンター活用を中核とした新職種で現場製造力を強化
米海兵隊は、遠隔地や補給が難しい現場でも必要な部品を素早く製造できる体制を整えるため、3Dプリンター活用を中核に据えた新職種「Fabrication Specialist(製造スペシャリスト)」を新設。米海兵隊は2026年10月1日から、金属加工担当のMOS 1316と機械加工担当のMOS 2161を統合し、新たにMOS 1321「Fabrication Specialist(製造専門職)」へ再編する。対象は現役兵約390名で、すでに36名が新制度に向けた訓練課程に入っている。

これまで軍の補給システムは、大量の交換部品や予備品を保管し、必要に応じて輸送することを前提としてきた。しかし近年の軍事作戦では、広範囲に分散した部隊運用や迅速な展開が求められるようになり、従来型の補給網だけでは対応が難しいケースが増えている。特に太平洋地域の島しょ部や遠隔地での活動では、交換部品が到着するまで数日から数週間を要する場合もあり、その間、車両や機械設備、支援装置が使用できなくなれば、作戦全体に大きな影響を与えかねない。
今回創設されるFabrication Specialistは、単に3Dプリンターを操作する技術者ではなく、溶接、旋盤加工、フライス加工、金属加工、設計データ作成など、多様な製造技術を横断的に習得することが求められる。つまり、「作る」「修理する」「改良する」を一人の専門職が担える体制を目指している。

今回の米海兵隊の取り組みが注目される理由は、これまで補助的な技術と見なされていた3Dプリント技術を、正式な軍事専門職の中核スキルとして位置付けた点にある。米海兵隊によるFabrication Specialist創設は、人材育成と3Dプリント技術の融合によって「必要なものを必要な場所で作る」という新たな製造モデルを実現しようとする挑戦である。
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