Nikon、Ai Build Limitedへ出資

Ai Build、積層造形におけるAIの利用拡大に向けて850万ドルを調達

日本の光学機器メーカー大手 Nikon(以下 ニコン)は、ロンドンを拠点とする3Dプリンティング・ソフトウェア開発企業の Ai Build Limited(以下 Ai Build)へ、ニコンとSBIインベストメントが共同で設立したプライベートファンド Nikon-SBI Innovation Fund を介して出資(出資金額非公表)したことを発表した。これにより、アディティブ・マニュファクチャリングにおける顧客への提供価値の幅を広げ、事業展開を加速するとしている。

Ai Buildは、シリーズA資金調達ラウンドで850万ドル(約12億7000万円)を調達。今回の資金調達ラウンドはIQキャピタルが主導し、戦略的投資家としてニコンの支援を受けている。この調達には、Superseed、ACT Venture Partners、Atlas Venture (UK)、Seedcampなど、既存投資家も参加。
今回の資金調達は、Ai Buildの製品ロードマップを加速し、より多くの産業用3Dプリンティング顧客に自動化と人工知能(AI)機能を提供するために使用される。同社はまたこの投資を活用して、米国を拠点とする新たな子会社を設立して北米に進出し、欧州全域への拡大を計画している。

Ai Buildの3Dプリンティングソフトウェアは、ニコンが採用しているアディティブ・マニュファクチャリング技術である「DED(Directed Energy Deposition)」方式に対応し、複雑な形状の難造形品についても短時間で造形パス生成が可能。ニコンが手掛ける金属3Dプリンター「Lasermeister 100A」シリーズと合わせて活用することで、自動化や多品種・変量生産を可能としたアディティブ・マニュファクチャリングのソリューションをトータルで提供する。

Ai BuildのAiSyncソフトウェア内の「Nikon lasermeister 12A」

ニコンは、2022年4月に発表した中期経営計画において、デジタル・マニュファクチャリング事業の強化を掲げており、特に、材料加工を当社の成長ドライバーと位置付けている。ニコンは長年培ってきた光利用技術や精密制御技術を生かし、Ai Buildとともに顧客の造形ニーズに合致した提案を通して、製造業の革新を後押しするとしている。


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