ブロックチェーンと暗号化技術を用いて知的財産保護を強化

SLMソリューションズとアッセンブリクス、ブロックチェーンと暗号化技術を用いて知的財産保護を強化

日本の光学および映像の多国籍企業である Nikon 傘下の金属アディティブ・マニュファクチャリング専業会社の1つである SLM Solutions(以下 SLMソリューションズ)と、イスラエルの3Dプリントソフトウェアプロバイダーである Assembrix(以下 アッセンブリクス)は、ブロックチェーンと暗号化技術を活用してセキュアなリモートプリント能力の開発と顧客の知的財産(IP)の保護を強化するための新たなステップを発表した。

この最新の発表は、昨年アッセンブリクスの仮想製造スペースプラットフォーム(VMS)がSLMソリューションズのマシンに統合されたニュースに続くものであり、両社は現在、最先端のブロックチェーンと暗号化技術を活用したセキュアなリモートプリンティングの次の開発段階に注力。ブロックチェーンは、ネットワーク上のマシン全体にデータと情報を安全に保存できる分散型のデジタル台帳で、両社はこの最新のステップで統合ソフトウェアをさらに強化し、将来的に産業規模の利用可能性を提供することを目指している。

既にこの技術を採用した、シンガポール教育省の管轄下にある中等後教育機関 Nanyang Polytechnic(南洋理工学院)のエンジニアリング学部マネージャーであるZaw Hlwan Moe氏は「セキュアなクラウドベースのソリューションを活用することで、より多くの製造業者が最高の品質管理基準を維持しながらリモート環境を探求することが可能になり、このような技術的進歩は加価値製造業界の生産性を大幅に向上させることができます」とコメントしている。

アッセンブリクスのVMSソフトウェアは、工業用3Dプリンティングプロセスを仮想化するクラウドベースのプラットフォームで、高いセキュリティ基準を維持しながらリモートプリンティングを可能にしており、アッセンブリクスによれば、VMSはデザインから生産、それ以降の全ての付加価値製造プロセスを簡素化し、安全に保つとしている。

この最新の発表は、新しいブロックチェーンと暗号化技術がアッセンブリクスとSLMの提供に組み込まれ、顧客に対してさらに大きなIP保護とセキュリティを提供することを示しており、プロジェクトの次の段階として両社はこの技術の提供を産業規模のソリューションに拡大することを見据えている。

昨今話題となっている3Dプリントにおける知的財産の保護とセキュリティ問題。
2022年4月、イギリスの国公立大学であるエクセター大学の研究チームは、3Dプリントオブジェクトの配布、トレーサビリティ、検索性を「革命化」すると主張したウォーターマーキング技術の特許を取得。チームはこのウォーターマーク技術をブロックチェーンと結びつけることで、より大きな知的財産保護を確保するための作業を推進。
プロジェクトリーダーのジェームズ・グリフィン博士は「ブロックチェーンを使用することで、クリエーターや企業が世界中でライセンスを取得し、使用するための新たな技術基準を可能にすることができます」と述べている。
さらに、ブロックチェーン技術を使用した最大の3Dプリンターネットワークが、Automation AlleyのProject DIAMOnD(デジタル、独立、アジャイル、オンデマンド製造)の一部として開発されており、このプロジェクトは「Industry 4.0」の活動を拡大するのを支援するため開発されている。


関連記事

3DP id.arts の最新投稿をお届けする「Newsletter 3DP id.arts」への登録はこちら

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でid.artsをフォローしよう!

     

ページ上部へ戻る