Nikon、3Dプリント関連企業2社へ出資

ニコン、金属3Dプリント関連企業2社への出資を発表

光学機器大手 Nikon(以下 ニコン)は、アディティブ・マニュファクチャリング(AM)分野への投資を拡大しており、今月初めにはドイツのリューベックに本社を置く金属3Dプリンタメーカー大手 SLM Solutions を622百万ユーロ(約840 億円)で買収することを発表。そして今回新たに、AMと従来のCNC加工を組み合わせたプラットフォームを持つ企業 Hybrid Manufacturing Technologies Global, Inc.(以下 HMT)と、航空宇宙・防衛分野のアンテナやその他の無線周波数(RF)コンポーネントの金属製AMアプリケーションを設計する Optisys, Inc.(以下 Optisys)の2社へ出資したことを発表した。
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Optisysは、金属AMを活用し、宇宙航空産業など向けのアンテナの設計・製造を行っており、同社が手掛けるアンテナなどの宇宙航空産業用部品は、小型衛星や航空機などの燃費改善・搭載量向上のため、小型・軽量化させることに特化している。同社は、AMを活用して設計を行うため、複数の部品を組み立てることなく、一体型で複雑な形状のアンテナをつくることが可能であり、AM技術を活用したアンテナは、従来の製造方法と比べ、部品数の削減による大幅な小型化、軽量化、低消費電力化はもちろん、高性能化、コスト削減、納期の短縮も実現する。
今回の出資を通じて、ニコンの光利用技術および精密技術と、Optisysのアンテナの設計、製造技術を組み合わせることで、材料加工分野におけるイノベーションを加速し、宇宙航空産業の発展に貢献することを目的としている。

Optisysの導波管アンテナ

HMTは、金属AM装置などの工作機械向けヘッドユニットの開発、製造、販売や関連ソリューションを提供する企業で、同社の工作機械向けヘッドユニットは、ヘッド部分が交換することができるため、これまで加工方法にあわせて複数の装置で行っていた切削作業や付加加工、除去加工、計測、検査など、さまざまな作業工程を、1つの装置で行うことが可能になる。このシステムは、顧客の生産ラインにある既存の工作機械にも利用が可能なことに加え、金属をはじめとした幅広い材料や、大型部材の加工にも対応。複雑な加工作業における生産性と自由度を飛躍的に向上させることができる。

ニコンは、独自の光利用技術、精密技術と、HMTの持つ工作機械向けヘッドユニット関連技術や大型部材への加工ノウハウなどを組み合わせることで、材料加工分野におけるイノベーションを加速し、新たな価値を創造するとしている。


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