レーザー焼結した造形品をカラーコーティングするための高品質サービスが登場
ドイツ・ミュンヘンに本社を置くDyeMansionは、粉末焼結機トップシェアを有するEOS社(ドイツ)などの協力を得て、SLS(粉末焼結積層)方式で造形されたナイロン(ポリアミド)の新たなカラーリング&コーティングサービスを開始しました。
DMM.make 3Dプリントのようなサービスビュロー(3Dプリント造形を請け負うサービス会社)では、レーザー焼結された白色のナイロンポリアミド品に、一般的な染料を用いて染色を行っています。同業他社を含め、類似したサービスを利用した経験がある方であれば分かると思いますが、通常染料による染色工程では、形状そのもの複雑さや積層表面の粗さ、その他様々な要因により、激しい色ムラを発生する場合があります。また、使用する染料の種類によってはかなり強烈な異臭を放つ場合などがあります。
DyeMansionが独自に開発したレーザー焼結プラスチック部品用のカラーコーティング技術では、通常の染色工程では実現が難しかった滑らかな表面加工(コーティング)方法を独自に開発。
通常のSLS造形物(ナイロンポリアミド)にみられる表面のザラザラを軽減し、滑らかに仕上げることが可能。このコーティング技術で仕上げられた部品は、耐摩耗性や耐汚染性などを向上させるだけでなく、化学物質や紫外線による抵抗と防水性も確保しています。
コーティングによって凹凸が軽減された表面
DyeMansionが提供する標準カラーは以下の8色
- INFINITE BLACK
- OCEAN BLUE
- ICELAND GREEN
- SHINY YELLOW
- DEEP PURPLE
- EOS RED
- SWAN GREY
- PINKEST PINK
同社は、特殊カラーの調色にも有償対応しています
また、DyeMansionのカラーコーティング技術は、Cytotoxテスト(有害物質の漏洩)ISO10993-5と、皮膚付着テスト(皮膚接触)ISO10993-10の両方を取得しており、高い安全性を証明している。
同社のカラーコーティングサービスは、造形品提供後2営業日程度で作業を完了し、UPS等を利用し指定住所へ返送してもらう事が可能。
SLS方式で造形されたナイロンポリアミドは強度がありながら靱性も高く、更に造形コストも安いため、最も汎用性の高い造形方式と材料と言えます。このような安全性を担保したカラーコーティングサービスが充実してくれば、日常利用も可能な実用品が数多く生まれてくるのではないでしょうか。是非、DMMさんでも実施して欲しいサービスですね。
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