使用済みコーヒーカプセルを3Dプリンタ用材料に変換

使用済みコーヒーカプセルを3Dプリンタ用フィラメントに変換

持続可能で革新的な解決策を追求する中で、ブラジルのサン・カルロス連邦大学(USFCar)、カンピーナス州立大学(UNICAMP)、英国のマンチェスター・メトロポリタン大学(MMU)の研究チームは、ブラジルのサンパウロにある公的財団サンパウロ州研究支援財団(FAPESP)から支援を受け、使用済みコーヒーカプセルを3Dプリンタ用フィラメントに変換する方法を開発。環境に悪影響を及ぼす廃棄物を価値あるリソースに変換するサーキュラーエコノミー(循環型の経済システム)への対応例として発表された。

ブラジルは世界最大のコーヒー生産国および輸出国であり、消費国でもある。一方で、ブラジルで消費されるコーヒーの大部分は品質が低く「Coffea canephora、ロブスタコーヒー」とも呼ばれるほど高い欠陥率と不純物が多く、豆の高温焙煎と大量の砂糖や甘味料で誤魔化されている。

サーキュラーエコノミーへの重要な貢献となるこの方法は、コーヒーカプセルに含まれるプラスチックをリサイクルし新たな製品を作ることで、コーヒー消費に伴う環境への影響を軽減するものであり、研究チームはこのプロセスを用いて、使用済みのカプセルから取り出したポリ乳酸(PLA)から、新たな導電性および非導電性のフィラメントを生産した。さらに研究チームは、使用済みのカプセル廃棄物から生成された非導電性PLAフィラメントおよび導電性フィラメントを利用して、電気化学セルやセンサーを作製している。

このプロセスは、経済活動から生じる廃棄物を環境に悪影響を及ぼす問題としてではなく、別の活動を推進するための資源として変換する循環経済の事例として報告されており、カプセルに含まれるプラスチックをリサイクルして新たな製品を作ることで、コーヒー消費に伴う環境への影響を軽減している。
この発見は、より持続可能な未来に向けた重要な一歩であり、廃棄物が他の業界にとって貴重な資源になり得ることを示している。
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