- 2016-3-12
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RolandDG monoFab ARM-10に加わった新樹脂さっそく試してみました
ローランド ディー.ジー.株式会社は、同社の3Dプリンター『monoFab ARM-10』用の新しい樹脂を、3月1日から日本国内で発売開始しました(プレス詳細はこちら)。
今回新たに追加された樹脂は、「PRR35-OP」(硬化後の特性: 柔軟質)と、「PRH35-ST2」(硬化後の特性: 硬質)の2種類。
「PRR35-OP」(硬化後の特性: 柔軟質)は、以前当サイトでも使用例をご紹介した軟質素材「PRF35-ST」(2015年10月発売)よりも軟らかく、ゴムライクな素材としてフィギュアや工業系部品(パッキンやジャバラのような物)等の再現に適した樹脂です。
以前ご紹介した使用例記事のように、他素材で造形したパーツなどと組み合わせることで、よりリアルなデザイン試作の再現も可能になります。
もう1種類追加された「PRH35-ST2」(硬化後の特性:硬質)は、従来の「PRH35-ST」(硬化後の特性:硬質)の改良版に当たり、環境面での取り扱いを容易にした他、大幅なコストダウンと最大20%程度造型速度を高速化(旧PRH比)させた新樹脂です。
新素材「PRR35-OP」をテスト
前述の通り、今回リリースされた「PRR35-OP(柔軟質)」は、先にリリースされた「PRF35-ST(軟質)」よりも柔らかい素材です。
基本的な使用方法については他の樹脂と変わりありませんが、「PRF35-ST」よりも若干臭いが抑えられている感じがあるので、小さなスペースでの作業でも臭い問題は多少軽減されるかもしれません(個人差有り)。
この素材は靱性が高いため、図のような人体パーツ(耳)模型もかなりリアルに再現することができます。未だ検証はしていませんが、血管や臓器を模した物を造っても再現性はかなり高いかもしれません。
また、この高い靱性を生かすことで、肉厚の薄い部分もかなりキレイに造型することができます。写真では少し分かりずらいですが、指(図左)の爪先なども破綻することなくキチンと再現されています。
サポートの除去性も良く、大まかなサポート部位は硬化前の段階でもポロポロと取れてしまいます。残ったサポート跡などは、硬化後に荒目の研磨材で取り除くこともできました。
サポート跡除去前
今回加わった新しい硬質系素材と、特性の異なる2種類の軟質素材が追加されたことで、ARM-10の活用幅も大分広がったのではないでしょうか。
次回のレポートでは、「PRR35-OP(柔軟質)」を使った具体的な使用例についてご紹介したいと思います。
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