Adobe Systemsは3Dテクスチャ編集技術で業界をリードするAllegorithmicを買収
Adobe Systemsは1月23日(米国時間)、ゲームとエンターテインメント向け3D編集とオーサリングツールで業界をリードする「Allegorithmic」の買収を発表した。
同社は、ゲーム開発および映像のポストプロダクションにおいて、3Dテクスチャとマテリアルの作成に使われる業界標準ツール「Substance」を提供しており、Allegorithmicの3Dデザインツール「Substance」と、Creative Cloudの最先端の画像および映像編集ツールとモーショングラフィックス制作ツールを組み合わせることで、アドビはゲームクリエイターや、映画およびテレビ向け映像制作に携わるVFXアーティスト、デザイナー、マーケターに次世代のイマーシブ体験を生み出す能力を提供する。
3Dコンテンツを活用した魅力的でインタラクティブな体験の提供と将来的な成功には、VRおよびARが必要不可欠で、3Dコンテンツ制作においては、すでに従来の手法から、作業時間短縮とコスト削減をもたらし、新たな創造的地平を開く、完全にイマーシブでデジタルなワークフローへの変化が始まっている。拡張された3D機能とイマーシブなワークフローをCreative Cloudに追加することにおいて、アドビはAllegorithmicの買収をもって力強い一歩を踏み出し、アドビの中核的な顧客基盤を構成するデザイナーに、3Dプロジェクト向けの新しいツール群を提供する。
アドビのCreative Cloud担当チーフプロダクトオフィサー兼エグゼクティブバイスプレジデントであるスコット ベルスキー(Scott Belsky)は次のように述べている「メディア、エンターテインメント、小売、マーケティングなど業種を問わず、完全にイマーシブな体験をデザインし、提供するために3Dテクノロジーを活用したいという顧客からの要望が高まっています。Creative Cloudはすべての人のためのクリエイティブプラットフォームであり、Substanceの製品は、Photoshop、Dimension、After Effects、Project Aeroなどイマーシブコンテンツの作成に使用される既存のCreative Cloud製品を自然に補完するものです。」
Allegorithmicはフランスに拠点を置き、Electric Arts、Ubisoft、BMW、Ikea、Louis Vuitton、Foster + Partnersなど一流のクリエイティブブランドに使用されており、ゲーム、映画、テレビ、eコマース、小売、自動車、建築、デザイン、広告といった業界を横断した顧客基盤を持っている。Allegorithmicは、Call of Duty、Assassin’s Creed、Forzaをはじめとする大半のAAAタイトルで3Dマテリアルおよびテクスチャのオーサリングにおけるリーダーと認識されている。さらにはBlade Runner 2049(邦題『ブレードランナー 2049』)、Pacific Rim Uprising(邦題『パシフィック・リム: アップライジング』)、Tomb Raider(邦題『トゥームレイダー ファースト・ミッション』)など受賞歴のある映画の制作に使われたツールも提供している。
AllegorithmicのCEO兼創設者であるセバスチャン ドゥギ(Sébastien Deguy)は次のように述べている「Allegorithmicとアドビは、創造力を刺激するテクノロジーをクリエイターに届けるという情熱を共有しています。私たちがアドビの一員となって、業界をリードするAllegorithmicのツールの強みをCreative Cloudプラットフォームと結びつけ、パワフルでインタラクティブなコンテンツと体験を創造する方法を変革できることを嬉しく思います。」
アドビは、買収と統合で成功を収めてきた実績を活かし、Allegorithmicの製品ロードマップと市場投入をさらに加速させ、その顧客基盤を大企業や中小企業および個人顧客へと拡大する支援を行う。
Allegorithmicのツールは、すでに個人および企業ユーザーにサブスクリプションサービスとして提供されており、将来的にアドビは、サブスクリプションを介してAllegorithmicツールの提供を拡大することに注力する。そして今年後半にアドビは、Allegorithmicの技術とAdobe Creative Cloudの機能を統合する新しい製品のアップデートを発表する予定である。
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