英国防衛サプライチェーンで進む3Dプリンター活用、軍用車部品の即応生産へ
英国の防衛車両メーカー NP Aerospace は、英国を拠点とする先進製造企業 Digital Manufacturing Centre(DMC)と提携し、装甲パトロール車「Mastiff」の補修・供給体制を強化する目的で、110kgのサスペンション・デファレンシャルキャリアを金属3Dプリンターで製造した。

Caracolの金属大型造形システム「VIPRA XP(WAAM方式)」と、ER100材料で3Dプリント製造された部品は、重量110kg、サイズは540×500×500mmで、約60時間で造形された。
この部品は、車両の足回りや駆動系を支える重要な構造部品で、走行時の衝撃、振動、荷重、過酷な環境に耐える必要があり、単なる試作品ではなく、安全性に関わる実用部品として位置付けられている点が大きな特徴だ。

従来、このような大型金属部品は鋳造、鍛造、複数工程の加工によって作られることが多い。しかし、専用の金型や治具が必要になるため、初期費用が高く、製造までの時間も長くなりやすい。特に軍用車両のように生産数が限られ、補修部品の需要が不定期な分野では、従来工法が必ずしも効率的とは限らない。

今回の成果は、英国防省が進めるProject TAMPAの流れとも関係している。同プロジェクトは、防衛サプライチェーンにアディティブ・マニュファクチャリングを取り入れ、軍用装備の稼働率や部品供給力を高める取り組みであり、英国政府も、防衛分野におけるAM活用はサプライチェーン短縮や装備維持に有効だとしており、今後は、既存部品の再設計、軽量化、補修、老朽化した部品の代替製造などへの応用が期待されている。
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