AIが3Dプリンティングの造形ミスを即補正

熱画像とAIで造形ミスを検知し、3Dプリント技術の信頼性を高める

米国エネルギー省のオークリッジ国立研究所(ORNL)は、大型樹脂複合材パーツの製造品質を高める目的で、熱画像とAIを活用し、3Dプリンターの造形ミスをリアルタイムで検知・補正する自動制御システムを開発した。

ORNLが開発したシステムは、3Dプリント時の難しい温度管理を人の目に頼らず自動で行う点が特徴で、ロボットノズルの周囲に小型の熱画像カメラを複数配置し、ノズルの位置、造形速度、押し出される材料温度などをセンサーで確認する。さらに、コンピュータービジョンと呼ばれる画像認識技術を使い、造形中の材料が目標温度から外れていないかをリアルタイムで判断する仕組みだ。
異常を検知した際、システムは3Dプリンターの造形速度を自動で調整する。例えば、材料が冷えすぎている場合には、次の層が適切な条件で重なるように速度を変え、層同士が正しく結合する状態へ近づける。これは、職人が造形の様子を見ながら設定を微調整する作業を、機械が自動で行うようなものだ。

試験では、トラックのタイヤより大きな六角形の造形物を使い、あえて低い造形速度から開始した。その結果、次の層を重ねる時点で材料温度が目標より約30%低い状態になったが、システムはこれを検知し、造形速度を自動的に上げることで補正した。温度差はわずか数度でも造形不良につながるため、このような微細な変化を見つけて修正できる点は、大型3Dプリント技術の実用化において大きな意味を持つ。
試験では、トラックのタイヤより大きな六角形の造形物を使い、あえて低い造形速度から開始した。その結果、次の層を重ねる時点で材料温度が目標より約30%低い状態になったが、システムはこれを検知し、造形速度を自動的に上げることで補正した。温度差はわずか数度でも造形不良につながるため、このような微細な変化を見つけて修正できる点は、大型3Dプリント技術の実用化において大きな意味を持つ。

今回の技術は、単に異常を見つけるだけでなく、その場で補正する点が新しい。これにより、3Dプリンターは「指示通りに動く機械」から、「状況を見て自ら調整する製造装置」へ進化する可能性がある。ORNLによると、このシステムは特定の形状ごとに再学習する必要が少なく、さまざまな大型複合材プリンター、材料、造形形状に対応できることを目指している。
今後、このような自動補正技術が普及すれば、3Dプリンターによる大型部品製造は、より安定し、低コストで、材料ロスの少ない生産方法へ近づく。


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