インド軍、中国との国境に3Dプリント製バンカーを設置

インド軍、ラダック東部の中国との国境に3Dプリンタで造られたバンカーを設置

インド軍は、ラダック東部の中国との間に設定された「LAC(実効支配線)」に沿って、3Dプリンタでバンカー(防御施設)および将校や下士官用の3Dプリントシェルターの建設計画を発表。これらはインド軍初となるもので、至近距離からの戦車砲撃にも耐えられるという。

インド軍が建設した3Dプリントシェルター

LACでは、インドおよび中国両軍で軍備増強が急激に進んでおり、特にラダック東部周辺では、インド軍と中国軍のにらみ合いが3年以上続いている。そのような緊張状態が続くなかインド軍は、LACに沿って3Dプリントされたバンカーの配備を計画。この構造物は、インドの軍事技術サービス(以下 MES)と、インド工科大学ガンディーナガル校およびインド工科大学マドラス校等が協力し、様々なサイズと容量の3Dプリント構造物を開発。この3Dプリント構造物は36~48時間以内で建設が可能で、小銃からT-90戦車(ロシアが開発した第三世代主力戦車)の主砲による100mからの砲撃に対する実験にも成功ているという。

MESは2021年の夏頃から、ラダック、シッキム、アルナチャル・プラデシュから砂漠地帯まで、実効支配線と国際国境に沿った前方陣地の近くに、バンカーなどの常設シェルターを配置することを計画。またMESは、3階建てビルの建設も計画しており、これが実現すれば、ラダック東部、シッキム、アルナチャル・プラデーシュなどの地に前線基地を迅速に設置することが可能になるとしている。

インド空軍によってプリントされた滑走路小屋

インド国防省の関係者によれば、インドの3Dプリンティング能力の強化により、最大22,000人の部隊の住居と資材倉庫を建設することが可能になると予想している。


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