ノッティンガム・トレント大学、本物の臓器のように拍動、出血、呼吸ができる心臓と肺の3Dプリント模型を製作
英国ノッティンガムにある国立大学ノッティンガム・トレント大学(NTU)の研究者たちは、フリーマン心臓肺移植協会(FHLTA)から資金援助を受け、移植手術を行う外科医のトレーニングに役立てるため、実際の臓器のように鼓動し、出血し、呼吸できる、病気の心臓と肺の超リアルな3Dプリント模型を作製した。
研究チームは、シリコーンゲル、布地、さまざまな繊維を用いて3Dプリントによる偽臓器を作製。この模型は、修理して再利用することができ、血管をクランプして血流を止めるという実体験に近いシミュレーションができるよう、出血する血管が付属している。
模擬手術を行う医師は、このリアルな3Dプリント模型を製作するため、心臓病患者と健康なドナーの心臓スキャンしモデルデータを用意。完成した模型は、実際の手術器具を使って新しい心臓を縫合する前に、切開して病気の臓器を取り除くことができる。
模型を使った模擬心臓移植手術 Photo : Nottingham Trent University
チームを率いるリチャード・アーム氏は「この技術は、外科医が手術台で直面しなければならない実際の経験と限られた視界を提供するため、正常な心臓のような出血をシミュレートすることができます。また、このモデルは、手頃な価格で再利用可能で、持ち運びができるように設計されており、技術へのアクセスを最大化し、全国の移植外科医にリスクのないトレーニングの機会を増やすことを可能にします」と述べている。
外科医は、心膜(心臓を包む薄い袋)や、心臓と肺や体の他の部分をつなぐ血管を切開する練習をすることが可能で、リチャード氏によれば、この臓器模型の初期バージョンは、救急外傷治療の訓練を向上させるため、英国軍や民間病院でも使用されているという。
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