3Dプリント透明アクリル素材の研磨事例

Formlabsの3Dプリンタで造形した3Dプリント製透明アクリル素材の研磨事例

以前よりSLS方式で造形されたナイロン素材の研磨事例や、FDM方式で造形されたABS素材の研磨事例など、様々な造形方式と3Dプリント素材の研磨(表面仕上げ)事例をご紹介してきましたが。今回は、Formlabs のデスクトップタイプSLA方式3Dプリンタと、同社の純正材料でプリントした造形物の研磨事例ついて、そのプロセスを含めご紹介いたします。

今回の研磨プロセスでは、過去の研磨事例同様、プロ仕様の3Dプリント用研磨材「TuneD3」シリーズを使用しています。
尚、今回の研磨プロセスで紹介した造形物は、2017年2月15日から東京ビッドサイトで開催される『3D Printing 2017』に出展するFormlabs社ブースにて実物を展示いたします。


今回使用した研磨前の造形物(Form 2/透明アクリル)

コンシューマーレベルの3Dプリンタとしては突出した精度の高さと豊富な材料により、世界中に多くのユーザーを有するFormlabsの3Dプリンタ。先の投稿でもご紹介した通り、2016年末からは数種類のエンジニアグレード素材セラミック素材などの特殊材料を追加し、より幅広いユーザーに向けた製品ラインアップを展開。

今回ご紹介する事例では、同社の汎用材料「スタンダードレジン/透明アクリル」を使用した造形物を研磨しました。

造形物詳細

材料:クリアマテリアル、ピッチ:0.025mm、造形時間:9時間/4個同時出力

研磨プロセス

今回の研磨工程で使用した研磨材
プロセス 1~4:アクリル向け研磨材 TuneD3 STANDARD(スタンダード)
プロセス 5:アクリル系素材の艶出し材 TuneD3 HiPOLISH(ハイポリッシュ)

プロセス 1

  • 使用研磨剤:TuneD3 グリーンシート40
  • 工数:1面の研磨時間 30秒程度
  • 研磨剤使用量:3枚(研磨力の低減防止・時短のためシート1枚につき2面研磨)ですが、1枚でも問題なく仕上可能
  • 研磨方法:湿式(滑りを良くするため、水と界面活性剤を混ぜたもので)ゆっくりと円を描くように研磨

プロセス 2

  • 使用研磨剤:TuneD3 ダークピンクシート
  • 工数:1面の研磨時間 30秒程度
  • 研磨剤使用量:3枚(研磨力の低減防止・時短のためシート1枚につき2面研磨)ですが、1枚でも問題なく仕上可能
  • 研磨方法:湿式(滑りを良くするため、水と界面活性剤を混ぜたもので)ゆっくりと円を描くように研磨

プロセス 3

  • 使用研磨剤:TuneD3 ブルーシート
  • 工数:1面の研磨時間 1分程度
  • 使用量:3枚(研磨力の低減防止・時短のためシート1枚につき2面研磨)ですが、1枚でも問題なく仕上可能
  • 研磨方法:湿式(滑りを良くするため、水と界面活性剤を混ぜたもので)ゆっくりと円を描くように研磨

プロセス 4

  • 使用研磨剤:TuneD3 イエローシート
  • 工数:1面の研磨時間 1分程度
  • 使用量:3枚(研磨力の低減防止・時短のためシート1枚につき2面研磨)ですが、1枚でも問題なく仕上可能
  • 研磨方法:湿式(滑りを良くするため、水と界面活性剤を混ぜたもので)ゆっくりと円を描くように研磨

プロセス 5

  • 使用研磨剤:TuneD3 HiPOLISH
  • 工数:1面の研磨時間 2分程度
  • 使用量:ハイポリッシュ(液体)を1面につき3滴程度、植毛シート6面で1枚
  • 研磨方法:植毛シートにハイポッリシュを垂らし、ゆっくり円を描くように。
  • HiPOLISHは乾くと傷をつける可能性があるため、こまめに造形物を水でゆすぎます。

以上のプロセスを経て仕上がったサンプルがこちら、非常に透明度高く仕上げることができました。
研磨仕上げによって透明度が高くなったため、造形時に発生した僅かな気泡らしき物も透けてみえるように。

1工程当たり数十秒~数分程度の作業でも、精度の高い研磨材を利用することでここまでキレイに仕上げることができます。
前述の通り、今回ご紹介した研磨仕上げした造形物は、2017年2月15日から東京ビッドサイトで開催される『3D Printing 2017』Formlabs社ブースにて実物展示いたします。この機会に是非お手に取って仕上がりをお確かめください。


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