液晶ポリマー3Dプリンタ「NematX NEX 01」

NematX、液晶ポリマーを3Dプリントするための新製品「NematX NEX 01」を発表

液晶ポリマーのアディティブ・マニュファクチャリングへの応用を目指すスイスの産業用3Dプリンティングのスタートアップ NematX は、ドイツのフランクフルトで開催された世界最大級の3Dプリンティング展示会「Formnext 2022」で、液晶ポリマー(LCP)を使った3Dプリンティングのために開発された3Dプリンティングプラットフォーム「NematX NEX 01」を発表。同社のソフトウェアと材料のポートフォリオを補完する商用3Dプリンタを発売した。

NematXは、FFF方式の3D技術を用いて、液晶ポリマーをプリント方向に沿って配列させ、機械的強度を向上させた部品を提供するネマティック3Dプリンティング技術を開発。このシステムは、押出成形時にLCPの分子配列を制御することで、熱的、生物学的、機械的、化学的特性を向上させた部品を製作することができる。従来の3Dプリント材料と比較して、LCPはより高い精度と速度で成膜できるため、スループット面で大きなメリットをもたらす。

プロセス制御を最大限に行いながら高スループット生産を実現するために設計された「NEX 01」は、最も要求の厳しい生産環境における産業用途に適しており、モーションコントロールシステムとスライスアルゴリズムにより、ミクロン解像度の3Dプリント環境を実現。

NEX 01 の主な特長

  • 高精度モーションコントロールシステム
  • ミクロン精度の分解能を持つスライスアルゴリズム
  • 精密な押し出し量制御
  • 完全統合されたプロセスモニタリング
  • クイックビルドプレート交換システム
  • 最大限の生産スループット
  • 完全なリサイクルおよび再加工が可能な材料

PEEKの10倍の強度を持ち、化学的・生物学的に不活性なLCP材料は、低燃焼性、高い耐放射線性、25μm以内の精度で部品を製造できることが特徴で、NematXによれば、LCPは最高の品質基準で製造されており、高度なインライン監視システムにより、製造中にフィラメントの直径と楕円率を連続的に制御しているという。

LCP材料の主な利点

  • 機械的特性:PEEKの10倍の強度
  • 耐熱性:>250°C
  • 材料特性:化学的・生物学的に不活性
  • 部品精度:25 µm
  • 密度:1.4 g/cm³
  • 低吸湿性:0.003 %
  • 高燃焼性評価:UL94 V-0
  • 真空中の低ガス放出性:0.01 % RML
  • 高い耐放射線性:UV/ガンマ線
  • 完全なリサイクル性と再加工性:可

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