Revo Foods、3Dフードプリンターで食品量産へ

16ノズル搭載3Dプリンターで8個のフィレを同時造形、食品の連続生産を実現

オーストリアのフードテック企業 Revo Foods は、代替魚・鶏肉食品の量産を目的に、独自のマルチノズル式3Dプリンターの増設を進めている。現在は6台を稼働させ、「3秒に1品」の生産能力を実現し、2027年第3四半期の黒字化を目指す。

Revo Foodsの量産方式で重要なのは、巨大な専用設備を1台導入するのではなく、小型の食品3Dプリンターを並列に増やして生産能力を高める点にある。各装置には16本のノズルが搭載され、1台で8枚のフィレを同時に造形でき、タンパク質と脂肪など性質の異なる素材を狙った位置に配置することで、魚の身がほぐれるような層やジューシーさを再現する仕組みだ。同じ設備で白身魚風、サーモン風、鶏肉風といった複数製品へ切り替えられるため、従来の食品工場のように製品ごとに大掛かりな設備変更を行う必要を抑えられる。

同社は2023年、サーモン風フィレ「THE FILET」をスーパーで販売し、食品3Dプリンターを研究・試作段階から一般流通へ進めた。2024年にはウィーンに「Taste Factory」を開設し、最大月60トンの生産能力を掲げるなど、連続生産と量産化を進めてきた。今回の6台体制は、1台を停止してもライン全体を止めずに済むモジュール型の考え方をさらに明確にしたものであり、形状や食感、素材の組み合わせをデータ側で変更できるため、将来的には少量多品種や地域・顧客ごとに異なる食品設計にも応用しやすい。

装置1台分の部品コストは約2万5000ユーロで、追加設備は2カ月未満で投資回収できると同社は試算する。2026年上期の売上高は前年同期比70%増で、通期売上は約150万ユーロを見込む一方、売上の約80%はドイツとオーストリアに集中し、店舗ごとの販売差も大きいという。現在は200万ユーロの資金調達を進め、うち100万ユーロを確保済みである。食品3Dプリンターが本格的な製造手段になるかどうかは、造形速度だけでは決まらない。近年の研究でも、実用化には成形のしやすさに加え、加熱後の品質や食感、保存性などを含む食品としての性能評価が重要とされる。Revo Foodsの取り組みは、3Dプリンターが「珍しい食品を作る装置」から「柔軟に増設できる生産設備」へ移行できるかを示す実証例となりそうだ。

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