大型・高精密な3Dプリント造形品の完成度を左右する表面処理。実寸大エンジン模型の仕上げ加工にTuneD3を活用
今回ご紹介するのは、先日3DP id.artsで公開した「3Dプリントで実現した実寸大・可動式エンジン模型」で取り上げた、実寸大3Dプリント模型の研磨・仕上げ加工事例です。

3Dプリンターで高品質な造形ができても、積層跡やサポート除去跡など、造形後の表面処理が必要になるケースは少なくありません。特に精度が要求された造形品や展示模型では、わずかな表面の凹凸も完成時の質感を左右します。そこで今回の仕上げ加工に活用したのが、3Dプリント造形品の研磨に特化した研磨材「TuneD3」です。
3Dプリント造形品の完成度を左右する「研磨」という工程
3Dプリンターによる造形では、造形方式や材料、積層ピッチなどによって程度は異なるものの、表面に積層跡や微細な凹凸が生じます。特に塗装を伴う模型やモックアップ、展示品、最終製品では、造形時には目立たなかったわずかな積層跡や表面の荒れが、サーフェイサーや塗装を施した後に目立ってしまうことがあります。

そのため、高品質な3Dプリント造形品を完成させるには、3Dプリンターの性能や造形精度だけでなく、造形後の「仕上げ加工」も重要です。今回の実寸大3Dプリント模型でも、造形後の各部品に研磨工程を加え、塗装や最終仕上げに適した表面状態へ整えています。
3Dプリント造形品の研磨に特化した「TuneD3」
今回の仕上げ加工に使用した「TuneD3」は、精密研磨分野で培われた技術をベースに、マイポックス(Mipox)社が開発した3Dプリント造形品向けの研磨材です。
一般的な研磨材でも3Dプリント部品を削ること自体は可能ですが、3Dプリント造形品には、積層による周期的な凹凸や複雑な曲面、細かなエッジ、造形方向によって異なる表面状態など、切削加工品とは異なる特徴があります。
TuneD3は、こうした3Dプリント特有の表面を仕上げる用途を想定して設計されており、単純に表面を削るのではなく、造形品本来の形状や細かなディテールをできるだけ維持しながら、積層跡や表面の凹凸を整えやすいことが大きな特徴です。

さらに、今回のような明るい色の樹脂部品で重要になるのが、研磨後の表面状態です。
一般的な研磨材の中には、研磨によって生じた濃色の砥粒や研磨粉が樹脂表面の細かな凹凸に入り込み、白色や淡色の造形品では黒っぽい汚れとして目立つ場合があります。今回TuneD3を使用した研磨工程では、こうした黒っぽい研磨粒子による表面汚れが生じず、造形品本来の色や表面状態を確認しながら仕上げ作業を進めることができました。

また、TuneD3は研磨くずを取り込みやすい構造を採用しており、研磨時に発生する削りくずをコントロールしながら、高品位な表面仕上げを行いやすい点もメリットです。
「積層跡は抑えたい」「細かな形状は残したい」「研磨後の表面もきれいな状態に保ちたい」。TuneD3は、こうした3Dプリント造形品ならではの仕上げ要求に応えるために開発された研磨材です。
造形方式や素材に合わせた「研磨材選び」も重要
航空機関連の高精密模型では、部品ごとに求められる強度、精度、耐久性、表面品質などに応じて、FDM、SLS、光造形といった複数の3Dプリント方式と材料を使い分けます。そして、造形方式や材料が異なれば、表面状態や研磨時の削れ方も異なります。
FDMの積層跡、SLS特有の表面性状、光造形による細かなディテールなど、それぞれの特徴に合わせた研磨材と仕上げプロセスの選択が重要です。

TuneD3シリーズは、こうした異なる3Dプリント方式や材料に応じた仕上げに活用できるため、「3Dプリンターや材料を使い分けるように、研磨材も使い分ける」ことが、高品質な3Dプリント模型を完成させる重要なポイントです。
一般的な研磨材や溶剤処理とは異なる、コントロールできる仕上げ
3Dプリント造形品の仕上げには、市販のサンドペーパーや耐水ペーパー、材料によっては溶剤による表面処理など、さまざまな方法があります。一般的な研磨材でも積層跡を削ることはできますが、研磨量を適切にコントロールしなければ、細かなディテールやエッジまで削ってしまう場合があります。
一方、溶剤による表面処理は、対象となる材料によっては短時間で表面を滑らかにできるメリットがありますが、処理が造形物全体に作用するため、条件によっては細かな形状やエッジまで変化する可能性があります。また、使用できる材料が限定されるほか、薬品に応じた適切な作業環境も必要です。

TuneD3による研磨の大きなメリットは、造形物の状態を直接確認しながら、「必要な場所を、必要なだけ」仕上げられることです。
積層跡が目立つ部分は重点的に研磨し、エッジや細かなモールドなど形状を維持したい部分では研磨量を抑えるなど、部位ごとに仕上げをコントロールできます。
有機溶剤や特別な薬品を必要とせず、局所的な研磨ができるため、複雑な形状を持つ3Dプリント模型や試作品、モックアップ、フィギュア、治具などにも活用できます。また、TuneD3は表面を美しく仕上げるだけでなく、造形後の形状修正や寸法の微調整にも利用できます。
積層跡を消すために「ただ削る」のではなく、3Dプリンターで再現した形状をできるだけ維持しながら、目的に応じて仕上がりをコントロールできることが、TuneD3を使用する大きなメリットです。
塗装前の下地処理にもTuneD3
3Dプリント模型やモックアップでは、最終工程として塗装を行うケースも多くあります。このとき重要になるのが、塗装前の表面状態です。
積層跡や研磨傷が残ったまま塗装すると、それらが塗膜で隠れるどころか、光の反射によって凹凸がより目立ってしまう場合がありますが、TuneD3を使用して造形表面を段階的に整えることで、サーフェイサーや塗装を施す前の下地を仕上げることができます。

今回の実寸大3Dプリント模型でも、造形精度だけに頼るのではなく、3Dプリント後の研磨、下地処理、塗装という工程を組み合わせることで、展示模型として求められる表面品質へ仕上げています。
3Dプリンターによる「造形品質」と、適切な研磨による「仕上げ品質」。この二つを組み合わせることが、3Dプリント造形品をより完成度の高い製品や展示物へ仕上げるポイントです。
造形したその先の品質を高める「TuneD3」
3Dプリンターの性能が向上し、大型で複雑、高精細な造形が身近になった現在、造形後の仕上げ加工もこれまで以上に重要になっています。
TuneD3は、単に表面を削るための研磨材ではありません。積層跡を目立たなくしたい、塗装前の下地をきれいに整えたい、細かなディテールを維持しながら表面品質を高めたい、嵌合部などの寸法をわずかに調整したい。こうした3Dプリント特有の仕上げ加工に対応し、3Dプリンターで造形した部品を、より完成度の高い「完成品」へ近づけるための仕上げツールです。

どの「TuneD3」を選べばいい?
TuneD3シリーズは、3Dプリント方式や材料、目標とする仕上がりに合わせて選択できます。
ABS・PLA・SLSナイロンの研磨なら「TuneD3 BASIC」
「TuneD3 BASIC」は、FDM/FFF方式で使用されるABSやPLA、SLS方式で造形されたナイロン(ポリアミド)などの表面仕上げに適しています。積層跡の処理や造形後の基本的な研磨からTuneD3を試したい方にもおすすめです。
光造形などのアクリル系樹脂なら「TuneD3 STANDARD」
「TuneD3 STANDARD」は、アクリル系樹脂の研磨に最適化されたシリーズで、光造形方式などによる高精細な樹脂部品の仕上げに適しています。
さらに高精細な仕上げなら「TuneD3 PROFESSIONAL」
「TuneD3 PROFESSIONAL」は、より高品位な表面を求める場合の最終仕上げ用研磨フィルムです。模型やデザインモデルなど、表面品質を重視する3Dプリント造形品の仕上げに活用できます。
高精細な最終仕上げには「TuneD3 HiPOLISH」
液体タイプの最終仕上げ用研磨材「TuneD3 HiPOLISH」は、研磨フィルムによる工程から、さらに高い表面品質を求める場合に使用できます。初めてTuneD3を使用する方には、少量から試せるお試しセットも用意しています。

3Dプリンターの積層跡やサポート除去跡、塗装前の下地処理などでお悩みの方は、まずは使用している造形方式と材料に適したTuneD3をお試しください。
造形したその先の品質を高める「TuneD3」
3Dプリント造形品の仕上げ品質を高めたい方は、TuneD3製品販売サイトから用途に適した製品をご購入いただけます。
TuneD3公式サイトでは、さまざまな3Dプリント方式や材料を使用した研磨事例、研磨方法、製品情報を紹介しています。また、TuneD3製品販売サイトでは、用途に合わせた各種「TuneD3」シリーズをご購入いただけます。
関連記事
3DP id.arts の最新投稿をお届けするニュースレターへの登録はこちら
最新情報をお届けします
Twitter でid.artsをフォローしよう!
Follow @idarts_jp








