ダイソンは更なる研究開発環境拡張のため英国に2つ目となる開発拠点を開設
2017年2月28日(英国時間)ダイソンは、研究開発機能を増強すべく、英国・ウィルトシャー州マルムズベリー本社近郊の同州ハラビントンに、英国内で2つ目となる開発拠点『テクノロジーキャンパス』を開設することを発表した。
英国国防省の跡地、約209万平方メートルの敷地に新たな『テクノロジーキャンパス』を設立することで、英国本社におけるダイソン開発拠点を約10倍に増床。今回のテクノロジーキャンパス増設は、より高いスキルを持つエンジニアの雇用機会の創出や、英国内で研究開発された製品の輸出増に繋がるとしている。
過去5年間で英国本社の社員数は3倍以上に増加(3,500人を雇用)、そのうち半分はエンジニアや科学者となっている。ダイソンは、英国企業の中で最もロボット工学への投資を実施しており、固体電池、視覚システム、機械学習、人工知能などの新しい技術の研究開発も今後更に拡張予定。また、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ケンブリッジ大学、ウォリック大学、ニューカッスル大学等の英国を代表する大学と40ものテクノロジープロジェクトに取り組んでいる。
グローバルな研究開発
ダイソンは、将来の技術への投資に25億ポンド(約3625億円)の拠出を決定しており、現在週700万ポンド(約10億1500万円)を研究開発に支出している。
今回の研究開発拠点の拡張は、2月13日に開設したシンガポールの新テクノロジーセンターも含まれる。同センターは、シンガポールの新興企業コミュニティの中心部およびシンガポール国立大学の隣に設置されており、ダイソンのエンジニアチームは、将来のスマートホームに向けた新しい技術の研究開発に従事。シンガポールでは現在、延べ1,100人を雇用しており、そのエンジニアリングチームの規模は50%成長拡大を目指している。
スキルギャップ
ジェームズ ダイソンは、英国における熟練エンジニアの不足に真っ向から取り組むために今後5年間で1500万ポンド(約21万7500億円)を投資する予定。英国は、深刻なスキル不足に直面しており、2020年までに64万人のエンジニアが必要であり、英国におけるダイソンの潜在的雇用が制限されている。
2017年9月以降、ダイソン インスティテュート オブ テクノロジーは、優秀で向上心のあるエンジニアに対し、従来の大学の学位に代わる資格を提供。同プログラムは、学術的な理論の習得とマルムズベリーキャンパスにおけるダイソンのエンジニアチームとの実地体験の組み合わせとなる。学生は、同プログラムの4年間、給与を受け取り、勉強をしながら働くことができる。場合によっては、4年間の総給与が大卒相当の年収と同等の額になる学生もいることになる。
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