飛行中のオスプレイ機内で3Dプリントに成功

米国海軍大学院の研究機関、飛行中のオスプレイ機内で初めて3Dプリントに成功した

米国カリフォルニア州の海軍大学院 Naval Postgraduate School(NPS)の研究機関 Consortium for Additive Manufacturing Research and Education(CAMRE)は、海軍情報戦センターで開発された先進的な製造運用システム Advanced Manufacturing Operational System(AMOS)を使用して、米国海兵隊のMV-22オスプレイ複合回転翼機の飛行中に初めて3Dプリンティングを成功させた事を報告した。

機内プリント中の様子

CAMREによる実証試験では、飛行中のオスプレイ機内で医療用ギプスをプリントするというもので、これはカリフォルニア州の海兵隊航空地上戦闘センターでの統合訓練演習(ITX)に参加する部隊にCAMREと海兵隊革新ユニット(MIU)が支援を提供する大規模な演習の一部であり、飛行中の3Dプリント製造試験の成功は、物流システムにおける様々な課題に迅速に対応する手段として、極めて重要な能力を示している。

CV-22オスプレイ

このデモンストレーションで使用された3Dプリンタ「AMOS」は、サンディエゴの海軍情報戦センター(NIWC)太平洋のエンジニア、Spencer Korolyによって開発された物で、AMOSは同等のシステムに比べ、スピード、信頼性、遠征時の堅牢性に優れている。CAMREのプログラム・マネージャーであるクリス・カラン氏は「移動しながらプリントできるAMOSは革命的です。飛行中の航空機内で医療デバイスやスウォームロボティクスをプリントできるのです」と述べている。

訓練飛行中のMV-22オスプレイでプリント中の医療用ギプス Image U.S. Marine Corps.

この試験では、まず海兵隊員の腕を3Dスキャンし、ジェネレーティブ・デザイン・ソフトウェアで医療用ギプスのデータを作成。その後、オスプレイがタキシング、離陸、飛行中の操縦を含む複数の地上モードと飛行モードで動作している間に、ギプスのプリントが実行された。

CAMREは、ITXの一環として、海兵隊予備役、第1海兵遠征軍(MEF)、3D海兵航空団の作戦部隊を結集し、競合するロジスティクス環境における分散製造モデルの実証を行った。CAMREの空中3Dプリンティング実証は、2022年の環太平洋(RIMPAC)演習で、USS Essex(LHD 2)に3D液体金属プリンタを初展開するなど、過去に成功した艦隊での運用実証に基づいている。
CAMREの使命は、統合軍の遠征および国内先進製造能力の加速に重点を置き、戦闘員に即座に結果を提供することにある。CAMREはこの新しい能力を普及させ、必要な人材の教育を提供し、演習を通じてコンセプトを検証するとしている。


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