- 2021-12-7
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中国湖南大学、BMFのPμSL技術を用いた画期的な亜鉛電極の製造方法を提案
中国の国立大学湖南大学のDuan Huigao教授率いる研究チームは、BMF(Boston Micro Fabrication)の「PμSL技術」を用いた画期的な亜鉛電極の製造方法を提案し、亜鉛電極の主な課題を解決する全く新しいアイデアを提供する。
本研究は、「3D-Printed Multi-Channel Metal Lattices Enabling Localized Electric-Field Redistribution for Dendrite-Free Aqueous Zn Ion Batteries」というタイトルで学術誌「Advanced Energy Materials」に発表された。
気候変動は、全人類にとって喫緊の課題となっており、気候問題を改善し、二酸化炭素の排出量を削減するための重要な手段として、電力貯蔵技術は常に学術的研究と商業的推進の重要な方向性となっている。 その中でも、水系Znイオン電池(ZIB)は、環境に優しく、低コストで安全性が高いことから、次世代のエネルギー貯蔵技術の最有力候補と考えられている。しかし、水系Znイオン電池の利点にもかかわらず、Zn電極の副反応などの問題があり、さらなる開発や大規模な商業利用の妨げになっている。特に結晶成長の影響要因は最も大きく、尖った樹状突起結晶が電池内のセパレータを突き破りショートさせるため、バッテリーが無効になる。
亜鉛結晶成長を抑制する一般的な方法は、電解液の最適化、電極の表面改質、電極構造の最適化設計などが挙げられ、特に大きな表面積を持つ3次元亜鉛電極を製作することが、亜鉛結晶成長を抑制するのに非常に有効であることが分かっているが、現在このような3D電極には、未だ以下の様な問題がある。
- 3次元スポンジZn電極は、それを支える十分な強度の骨格がないため、使用中に破損しやすく、結果的に寿命が短くなってしまう。
- 他の方法では、欠陥が無秩序に分布し、数百ミクロンの構造的なばらつきがある電極が作られ、電荷の移動が著しく妨げられ、金属コーティングの品質に影響を与える。
Duan教授は、これらの課題解決のためPμSL技術を用いた新しい亜鉛電極の製造方法を提案した。先ず、BMF製3Dプリンタで規則的な形状と安定したサイズ分布を持つ樹脂製の3D格子構造を印刷し、次に、上記格子構造の表面にニッケル金属を無電解メッキし、最後に亜鉛金属を電解メッキして3D Ni-Zn電極を作る。
この方法で製作した亜鉛電極は、非常に優れた利点があることが、以下のように示されている。
- 全体のサイズが14.0×8.0×1.0mm3の電極に、辺の長さが200μm、間隔が100μmの小孔が規則的に分布しているため、比表面積(specific surface area)が大幅に増加し、構造的な乱れが生じない。
- コーティングが均一に分布しているため、亜鉛の結晶成長などの副反応を効果的に抑制することができる。
- 優れたサイクル安定性を示す(10.0A g-1で1000サイクル後に80%の容量保持率)。
また、この方法は他の金属電極の製造にも適していると示されている。多くの顧客が従来の方法では加工が困難な格子構造の製作にBMFのPμSL技術を選択。PμSL技術を用いて作製された格子構造は、最小サイズ10μm程度の微細化が可能で、全体寸法は数十ミリメートルのものであり、エネルギー貯蔵技術、触媒、CO2吸着、マイクロメカニクス、海水の浄化などの分野の研究や製品設計に常識を打ち破るなソリューションを提供する。
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