BMF 最新ケーススタディVol.14

高精度3Dプリントと金メッキ技術でパッシブマルチビームアンテナを製造

パッシブマルチビームアンテナは、5Gおよび6Gの無線通信アプリケーションにおいて大きな可能性を秘めている。これらのアンテナの複雑なレンズ構造は、非常に厳しい公差を必要とするため、製造上の課題がある。従来の製造技術でこれらのアンテナを製造することは、しばしば複雑で時間がかかり、高価な設備の使用を必要とする。バーミンガム大学のYi Wang教授は、パッシブ・マルチビームアンテナを製造する新しい方法を探していた。

アンテナ設計

アンテナには表面波ルーンベルグレンズと9本の給電用導波路アレイが含まれている。各導波路には導波路溝があり、レンズと一緒に3Dプリントで製作され、CNC加工されたカバーが取り付けられている。導波管を3Dプリントすることで、製造の複雑さを増すことなく、爪の高さを変えることができるため、設計の自由度を向上させることができる。
BMFのPμSL技術を基づいた、microArch S140でレンズと給電用導波管を共同プリント。高精度に3Dプリントされたアンテナは14mm×14mm×1.6mmの寸法で、公差は±5μm。プリントされたデバイスは、必要な導電性を持たせるために金メッキが施された。3Dプリントした部品に金属メッキを施すことは、金属表面や導電性が必要な用途の部品を製造するための費用対効果の高い方法となる。

金属メッキ3Dプリントマルチビームア

異なるポートからの放射パターンと反射係数を測定した結果、Wang氏らは355GHzの表面波金属ルーンベルグレンズマルチビームアンテナの実証に成功したことを確認。
バーミンガム大学 Yi Wang教授は次のように述べている「ミクロンレベルの精度とセンチメートルレベルの造形寸法を持つ高精度マイクロスケール3Dプリンタは、他のマイクロマシニング技術では困難な、非常に複雑なミリ波やAPHW導波路デバイスを革新的な方法で製造 する強力なツールとなり得ます。」

未来

3Dプリントされたレンズと給電波路の実験結果は、高精度3Dプリントによるサブテラヘルツ金属マルチビームアンテナの製造の実現可能性を示している。3Dプリントされたマルチビームアンテナは、柔軟性、速度、およびコスト効率の面で、従来の製造技術よりも大きな利点をもたらす。
詳細については、こちらの研究論文を参照。

microArch S140およびPµSL技術に関する詳細情報への問合せはBMFへ。


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