金属3Dプリンターでジェットエンジン量産加速

Aurora Labsが600万豪ドルを調達、金属3Dプリンターによるターボジェット量産体制を本格強化

金属3Dプリンターを活用した航空宇宙・防衛向け部品や小型ターボジェットエンジンの開発・製造を手掛けるオーストラリアの先端製造企業 Aurora Labs は、金属3Dプリンターを活用したターボジェットエンジンの量産能力を拡大するため、機関投資家などから600万豪ドルの資金調達を実施する。

Aurora Labsが調達した600万豪ドルは、1株0.055豪ドルで実施する2段階の第三者割当増資によるもので、資金の中心は既存のターボジェットエンジン生産ラインの拡張と、金属積層造形設備の追加導入に充てられる。さらに量産に必要な製造データの整備、工程管理システム、人材への投資も進め、防衛・航空宇宙市場で継続的に供給できる体制を構築する計画だ。投資家には豪州のエンジニアリング企業Walkinshaw Group Holdingsも含まれ、残る資金は事業開発や知的財産保護、AS9100D認証の維持にも活用される。

同社が開発するAU4などの小型推進システムでは、金属3Dプリンターでエンジン部品を直接造形する。従来の切削や鋳造だけでは製造が難しい複雑形状を一体化しやすく、設計変更から試作、評価までのサイクルを短縮できることが強みとなる。一方、航空宇宙分野で量産するには、造形そのものだけでなく、CNCによる仕上げ加工、寸法検査、工程の再現性、部品履歴の追跡まで含めた品質保証が欠かせない。Aurora Labsが金属3Dプリンターだけでなく生産設備や品質管理体制にも資金を投じるのは、この「試作から量産へ」の壁を越えるためだ。

同社は2026年に航空宇宙品質規格AS9100Dを取得し、AU4推進システムの商用納入を開始したほか、豪州政府から100万豪ドルの防衛産業開発助成金を獲得。欧州の防衛大手MBDAとは3Dプリント製ターボジェット技術の評価・開発を進める戦略的提携を結び、10月には米国の航空宇宙・防衛企業からAU4エンジン3基と統合支援サービスを初受注した。


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