3Dプリンターでスキーリフトの基礎を製造

輸送が難しい山岳地帯で3Dプリンターを活用してスキー場のリフト基礎を建設

スウェーデン北部のスキーリゾート地ヘマバン(Hemavan)において、3Dプリンターを活用したスキーリフトの基礎部分を製造する建設プロジェクトが進められている。住宅建設で注目されることの多い建設用3Dプリンターだが、今回の事例では、資材の輸送や施工が難しい山岳地域におけるインフラ整備への活用可能性を示している。

3Dプリント技術を利用した低炭素建設に取り組むフィンランドの開発企業 Hyperion Robotics は、スウェーデン北部のスキーリゾートを運営する Hemavan Alpint が進める大規模なスキーリゾート拡張計画の一環として、新設されるスキーリフトの基礎部分を3Dプリンターで製造している。新しいリフトは2026年のクリスマスまでの開業を予定しており、将来的には約3,000床の宿泊施設、4基のスキーリフト、7本のスキーコースを備えるエリアへと拡張される計画だ。

山岳地帯での建設では、大型の型枠や大量の建設資材を現場まで運搬する必要があり、輸送コストや作業時間が大きな負担となるが、3Dプリンターを利用すれば、必要な形状に合わせて部材を効率よく製造できるため、材料使用量や物流負担を抑えられる可能性がある。Hyperion Roboticsによれば、3Dプリント技術を活用した今回の基礎構造では、従来工法と比較して材料使用量を約40%削減できるという。
また、3Dプリント技術では地形や地盤条件に合わせて基礎形状を変更しやすく、必要な部分に必要な量だけ3Dプリンター材料を配置する設計も可能になる。建設現場の近くに製造設備を設置できれば、完成した大型部材を遠方から輸送する必要も減らせるため、山間部や離島、エネルギー設備など、アクセスが難しい場所でのインフラ建設にも応用が期待できる。

建設用3Dプリンターはこれまで住宅や建築物への利用が注目されてきたが、道路関連設備、上下水道、エネルギー施設、基礎構造物など、インフラ分野でも活用が広がりつつある。今回のスキーリフト建設は、3Dプリンターが単に建物を造るための技術ではなく、従来工法では施工や輸送の負担が大きかった場所で、新たな建設手法を実現する技術になり得ることを示す事例となっている。


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